令和6年3月7日、警察庁より、令和5年に発生した交通事故(人身事故)の発生状況をとりまとめた「令和5年中の交通事故の発生状況」 と死亡事故の発生状況等をとりまとめた「令和5年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」が公表されました。今回は、この公表データのなかから、事業用貨物自動車(以下、事業用トラックと言います。)が第1当事者となった交通事故の発生状況についてご紹介します。

◆令和5年の交通事故発生状況の概要

◆事業用トラックの死亡事故とドライバーへの指導

図1は交通事故発生件数について、全体(全車種)と事業用トラックの事故発生件数の推移を示したもので、図2は交通事故のうち、死亡事故件数の推移を示したものです。
 事業用トラックの交通事故発生件数については、令和2年以降は増加傾向にありましたが、令和5年は減少(前年より270件減)に転じています。一方、事業用トラックの死亡事故については平成27年以降、減少傾向を示していましたが、令和5年は前年比で10%を超える増加(前年より25件増)となっています。
 また、高速道路では事業用トラックの事故件数、死亡事故件数いずれも増加しています。
 ここ数年の死亡事故をみると、交差点における死亡事故がおよそ4割を占めており、その多くが歩行者または自転車との事故です。特に右折時は歩行者、左折時は自転車との死亡事故が多いというはっきりとした特徴がみられます。こうした特徴を踏まえて、事業者の皆さまには、交差点での死亡事故を防止するために、 ドライバ―に対して、特に次のような指導が求められます。

○交差点右左折時は、徐行が義務付けられています。ルールで定められた方法で右左折をするよう、指導しましょう。
○右折時では特に歩行者、左折時では特に自転車がいないことを確認してから、通行するよう指導しましょう。

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記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社

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