高速自動車国道での大型トラック等の事故は減少傾向にあることや、時速90kmを上限とする速度抑制装置の装着が義務づけられていることなどから、改正道路交通法施行令が令和6年3月1日に公布されました。
これまで高速自動車国道においては時速80kmに設定されていた大型トラックや一部の中型トラックの最高速度が時速90kmに引き上げられ、令和6年4月1日より施行されます。

◆高速自動車国道の大型トラック等の最高速度を時速90kmに引き上げ

一般道路の最高速度は、トラックの種別を問わず時速60kmですが、高速自動車国道の場合は、トラックの種別によって最高速度が異なり、従来(令和6年3月31日まで)は時速100kmと時速80kmに区分されていました。
この最高速度の区分が道路交通法施行令改正により、令和6年4月1日から、時速100km、時速90km、時速80kmの3つに区分され、これまで時速80kmであった大型トラックと一部の中型トラック(車両総重量8トン以上・最大積載量5トン以上) の最高速度が時速80kmから時速90kmに引き上げられました。ただし、トレーラは従来通り時速80kmが上限となります(下表参照)。

【高速道路における事故類型別死傷事故件数(令和4年)】

◆高速自動車国道の対面通行区間の最高速度

高速自動車国道には、対面通行になっている区間(構造上往復の方向別に分離されていない区間)があります。この区間の最高速度は一般道路と同じで、上記の表は適用されません。標識や標示で速度が指定されていない場合の最高速度は、トラックの種別を問わず時速60kmですから、注意しましょう。

◆自動車専用道路の最高速度

高速道路には、高速自動車国道と自動車専用道路がありますが、自動車専用道路の最高速度は一般道路と同じです。ただし、区間によっては標識や標示で最高速度が時速70kmや時速80kmに指定されている場合もありますが、それ以外の最高速度は時速60kmですから、高速自動車国道と同じ感覚で速度を出すと速度違反になるおそれがあります。自動車専用道路を走行するときは、速度標識などによく注意して制限速度を確認しましょう。

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記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社

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