令和6年5月27日、厚生労働省より「令和5年労働災害発生状況の分析等」が公表されました。
そこで今回は、当労働災害発生状況より、陸上貨物運送事業における労働災害の主な特徴と防止対策をご紹介します。
◆労働災害の特徴と防止策
①死亡者数は110人で、前年より20人増加し、死傷者数は16,215人で、前年より365人減少しました。
②事故の型別では、死亡者数は「交通事故(道路)」が48人で最も多く、前年より15人増加しました。次いで「墜落・転落」が25人で、前年より1人増加、 「はさまれ・巻き込まれ」が9人で、前年より1人減少しました(図1)。
③事故の型別の死傷者数では、 荷役作業中等の「墜落・転落」が4,207人(前年よりは87人減少)で最も多く、全数に占める割合は25.9%と約4分の1を占めています。次いで、「転倒」が2,960人で、前年より43人増加、「動作の反動・無理な動作」が2,902人で、前年より38人減少しました(図2)。
◆労働災害防止対策
型別の死傷者数で最も多い 「墜落・転落」による労働災害を防止するため、厚生労働省では、事業者に対して、令和6年2月に全面施行された、貨物自動車での荷役作業時の昇降設備の設置(最大積載量2トン以上の貨物自動車に設置が義務付けられています。)や保護帽の着用、テールゲートリフターの操作についての特別教育の義務化等を内容とする改正労働安全衛生規則の遵守の徹底を図るよう求めています。
また、事業者や荷主等に対し、「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」や「交通労働災害防止のためのガイドライン」に基づく取組みの実施を図ることも求めています。
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記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社