デジタルの力を活用した地方の社会課題解決として、4つの施策の方向性をデジタル田園都市国家構想では示しています。

地方に仕事を作る

1つめは、スタートアップ・エコシステムの確立、中小・中堅企業DX(キャッシュレス決済、シェアリングエコノミー等)、スマート農林水産業・食品産業、観光DX、地方大学を核としたイノベーション創出等を具体例とした「地方に仕事を作る」です。

「地方に仕事を作る」は主要KPIとして、以下の4つが挙げられています。

  • 社会課題解決のためのスタートアップや中小企業等の取組の促進・定着・実装が見られる地域:2027年度までに900地域
  • 地域経済を牽引する中小・中堅企業の生産性の伸び:年2%以上
  • 農業の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践:2025年までに担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践
  • 観光地経営の高度化を図るため、旅行者の来訪状況、属性、消費額等のデータに基づいて策定されたDX戦略を有する登録DMO:90団体
出典:デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023年度~2027年度)内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局より
出典:デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023年度~2027年度)内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局より

人の流れをつくる

2つめは、「転職なき移住」の推進、オンライン関係人口の創出・拡大、二地域居住等の推進、地方大学・高校の魅力向上、女性や若者に選ばれる地域づくり等を具体例とした「人の流れをつくる」です。

「人の流れをつくる」は主要KPIとして、以下の4つが挙げられています。

  • 地方と東京圏との転入・転出:2027年度に均衡
  • サテライトオフィス等を設置した地方公共団体:2024年度までに1,000団体、2027年度までに1,200団体
  • 企業版ふるさと納税を活用したことのある地方公共団体:2027年度までに1,500団体
  • 関係人口の創出・拡大に取り組む地方公共団体:2027年度までに1,200団体
出典:デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023年度~2027年度)内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局より
出典:デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023年度~2027年度)内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局より

結婚・出産・子育ての希望をかなえる

3つ目は、結婚・出産・子育ての支援、仕事と子育ての両立など子育てしやすい環境づくり、こども政策におけるDX等のデジタル技術を活用した地域の様々な取組の推進等を具体例とした「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」です。

「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」は主要KPIとして、以下の2つが挙げられています。

  • 結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会の実現に向かっていると考える人の割合:2025年に50%
  • デジタル技術も活用し相談援助等を行うこども家庭センター設置市区町村:全国展開(1,741市区町村)を目指す
出典:デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023年度~2027年度)内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局より
出典:デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023年度~2027年度)内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局より

魅力的な地域をつくる

4つ目は、教育DX、医療・介護分野DX、地域交通・インフラ・物流DX、まちづくり、文化・スポーツ、防災・減災、国土強靱化の強化等、地域コミュニティ機能の維持・強化等「魅力的な地域をつくる」です。

「魅力的な地域をつくる」は主要KPIとして、以下の5つが挙げられています。

  • 1人1台端末を授業でほぼ毎日活用している学校の割合:2025年度までに100%(小学校18,805校、中学校9,437校)
  • 新たなモビリティサービスに係る取組が行われている地方公共団体:2025年までに700団体
  • 物流業務の自動化・機械化やデジタル化により、物流DXを実現している物流事業者の割合:2025年度に70%(約3万5千事業者)                                          
  • 3D都市モデルの整備都市:2027年度までに500都市
  • 誰もが居場所と役割を持つコミュニティの要素を取り込んだ全世代・全員活躍型の「生涯活躍のまち」に関する構想等を策定している地方公共団体:2024年度までに200団体

デジタル田園都市国家構想で国の指針として示していることから、多くの自治体が上記のアクションに向けて民間企業との連携を強化していくことが必要になっていきます。民間企業を「業者」として扱うのではなく、「パートナー」としてお互いに高めあう関係性を構築することが大切です。自治体と民間企業では、物差しや価値観、ルールなども違うことから、柔軟に相互を認め合うことがその一歩です。

出典:デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023年度~2027年度)内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局より
出典:デジタル田園都市国家構想総合戦略(2023年度~2027年度)内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局より

デジタル田園都市国家構想で国の指針として示していることから、多くの自治体が上記のアクションに向けて民間企業との連携を強化していくことが必要になっていきます。民間企業を「業者」として扱うのではなく、「パートナー」としてお互いに高めあう関係性を構築することが大切です。自治体と民間企業では、物差しや価値観、ルールなども違うことから、柔軟に相互を認め合うことがその一歩です。

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執筆者情報

著者 株式会社カルティブ 代表取締役 池田 清

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