デジタル田園都市国家構想交付金

 R6要求またはR5補正のデジタル田園都市国家構想交付金は、取り組みを4つに分けて支援しています。
デジタル技術を活用し、地方の活性化や行政・公的サービスの高度化・効率化を推進するため、デジタル実装に必要な経費などを支援する「デジタル実装タイプ」、観光や農林水産業の振興等の地方創生に資する拠点施設の整備などを支援する「地方創生拠点整備タイプ」、観光や農林水産業の振興等の地方創生に資する取組などを支援する「地方創生推進タイプ」、産業構造転換の加速化に資する半導体等の大規模な生産拠点整備について、関連インフラの整備への機動的かつ追加的な支援する「地域産業構造転換インフラ整備推進タイプ(仮称)」です。
いずれもデジタル田園都市国家構想交付金の資金の流れとしては、国から交付金で都道府県市区町村に対して地方財政措置が講じられます。
予算額としては、「デジタル実装タイプ」が360億円(R5補正)、「地方創生拠点整備タイプ」300億円(R5補正)70億円(R5当初)、「地方創生推進タイプ」930億円(R5当初)万博の開催を契機として、各都道府県において新たに実施する地方創生に資する取組に別途15億円(R5補正)、「地域産業構造転換インフラ整備推進タイプ(仮称)」60億円(R5補正)が措置されています。
その交付割合は、「デジタル実装タイプ」の中でもタイプ1が1/2、タイプ2が1/2、タイプ3が2/3、タイプSが3/4、地方創生テレワーク型の高水準タイプが2/3、その他が1/2です。「地方創生拠点整備タイプ」は1/2、「地方創生推進タイプ」も1/2、「地域産業構造転換インフラ整備推進タイプ(仮称)」は5.5/10です。

デジタル田園都市国家構想交付金に限った話ではありませんが、一定の自治体負担を求められるため、自治体によってはそのねん出が難しく、デジタル化に限らず市民サービスにおいて自治体による差が生まれています。そういった事態を自治体の努力で埋めるためにも交付金の自治体負担分を減らす施策を国は準備しています。地方創生応援税制、通称「企業版ふるさと納税」です。

地方創生応援税制度「企業版ふるさと納税」

企業版ふるさと納税は「併用可能」な補助金や交付金、(または企業版ふるさと納税を活用した場合インセンティブの付与がある補助金交付金)として99補助金交付金が指定されています。
「併用可能」とはどういうことなのかというと、企業版ふるさと納税での寄付の場合、自治体負担分から差し引いても、国の補助金交付金は減らしませんというものです。
例えば、デジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装タイプタイプ1の事業で、総事業費1億円の事業があったとします。その事業に対して企業から企業版ふるさと納税として2,000万円の寄付がされた場合、デジタル田園都市国家構想交付金は併用可能な補助金交付金なので、自治体負担分である1/2(5,000万円)から企業版ふるさと納税の寄附である2,000万円が差し引かれ、自治体負担が5,000万円から3,000万円に下がります。
併用可能な補助金交付金と併用できない補助金交付金との比較を図示すると以下になります。

「企業版ふるさと納税」の活用

デジタル田園都市国家構想はデジタルの力を使うものであることから、民間の知識やノウハウなしでは進めることができません。自治体と民間が協力しあいながら地域を良くしていく活動であり、それを推進するために企業が地方創生の一環として寄付をするということも生まれています。企業版ふるさと納税の活用についても、産業との連携の一つのきっかけとして活かしていくのも今後は重要な一つの手段となりそうです。

デジタル田園都市国家構想交付金以外の98の併用可能な補助金交付金(2024年2月29日現在)については、以下のサイトで掲載しています、

企業版ふるさと納税サービスriverコラム

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執筆者情報

著者 株式会社カルティブ 代表取締役 池田 清

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