ある会社の事例

企業に対し、パワーハラスメント防止の措置を講じるように義務付けがされると聞きました。いつから、どのようなことを実施する必要があるのでしょうか?

大企業は2020年4月、中小企業は公布日から3年以内に義務化するとし、相談窓口の設置やパワーハラスメントをした人の処分規定を求めることが予想されています。

パワーハラスメント防止義務

厚生労働省は労働政策審議会(厚労省の諮問機関)の分科会で、パワーハラスメント防止義務を盛り込んだ女性活躍推進法などの改正案要項を示し、了承されました。
防止義務の適用は大企業で公布日から1年以内とし、2020年4月、中小企業は公布日から3年以内に義務化するとし、それまでは努力義務にとどめました。
改正案では、相談窓口の設置やパワーハラスメントをした人の処分規定を設けることを求める予定です。

職場のパワーハラスメントの定義

職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義し、次の行為が該当することを明確にしています。

・上司から部下に対するものに限られず、職務上の地位や人間関係といった「職場内での優位性」を背景にする行為
・業務上の必要な指示や注意・指導が行われている場合には該当せず、「業務の適正な範囲」を超える行為

職場のパワーハラスメントの6類型

①身体的な攻撃(暴行・傷害)
②精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④過大な要求(遂行不可能なことの強制)
⑤過小な要求(業務上の合理性なく、能力とかけ離れた程度の低い仕事を命じる)
⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入る)

定義及び類型は「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」より

それぞれの行為に3要素すべてが重なれば

執筆者情報

資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ

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