建設業においては「適切な保険」に加入していないと現場入場ができないという状況です。しかしながら、事業所の
形態等により、加入すべき保険が違います。自社が加入すべき保険について整理をしていきましょう。

医療保険の給付

前回解説したように、医療保険といっても、協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険、国民健康保険組合と別れており、それぞれ違いがありますが、今回は協会けんぽを中心に医療保険の給付について解説をします。

医療保険の給付

主な医療保険の給付として下記の給付があります。

被保険者被扶養者
療養の給付
療養費
出産育児一時金(1児につき42万円)
出産手当金×
傷病手当金×
移送費
埋葬料
訪問介護療養費

休業時の所得補償

健康保険(協会けんぽ)と国民健康保険の大きな違いは、所得補償の有無です。
健康保険(協会けんぽ)には、出産や業務外の病気(※)で所得が得られない場合、所得補償としての傷病手当金、出産手当金があります。
ただし、国民健康保険組合は独自の給付がありますので、各組合に確認をしてみましょう。

傷病手当金

【要件】
 傷病手当金は、被保険者が病気やけがのために働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。

【給付額】
 1日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)
 (支給開始日とは、一番最初に傷病手当金が支給された日のことです。)

【支給される期間】
 傷病手当金は、病気やけがで休んだ期間のうち、最初の3日を除き(これを「待期」といいます。)4日目から支給されます。その支給期間は、令和4年1月1日より、支給を開始した日から通算して1年6ヵ月に変わりました。

出産手当金とは

産前6週、産後8週に給与が支払われない場合の給付金です。
1日あたりの支給金額は傷病手当金と同じです。
※業務上での怪我や病気での仕事ができない時は、労災保険からの休業補償給付金があります。

◆次回も、各保険について解説していきます!

執筆者情報

記事の作成・編集:アスミル社会保険労務士事務所

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