今月のポイント:台風の特徴や予報を理解し、事前の備えに活用しましょう。

・日本は台風に見舞われる頻度が世界的にも高い国です。
・台風による災害は、強風や大雨、高潮などが広い範囲で発生します。
・事前の予報では、地域ごとに2日先までの 警報・注意報 や5日先までの 警報級の可能性を確認できます。お住まいの地域の危険をいち早く察知して適切な備えを行いましょう。

「台風」とは

一般的な定義では、北西太平洋または南シナ海に存在し、なおかつ中心付近の最大風速(10分間の平均風速)が約17m/s以上の熱帯低気圧のことを「台風」と呼びます。1981年から2010年までの平均(平年値)では、年間約11個の台風が接近や上陸しています。ある研究では、台風規模の熱帯低気圧(ハリケーンやサイクロンを含む)に見舞われる頻度を国ごとにまとめた結果、日本への上陸頻度は世界第三位との見解が示されています。

台風がもたらす災害

台風の正体は上昇気流を伴う巨大な空気の渦であり、渦に巻き込まれた水蒸気によって、巨大な雨雲が発達しています。渦の直径は数百~1000km以上、雲の高さは10~15km程度まで広がります。このため、広い範囲で強風や大雨、高潮などの災害がもたらされます。

強風中心気圧が低い台風や、気圧の等圧線間隔が狭い台風ほど、強風に注意が必要です。また、台風の移動速度が速い場合、台風の進行方向右側では強い風となる特徴があります。
大雨台風中心から数百km以内の範囲では、台風の雨雲(アイウォールやレインバンド)による大雨が降ります。また、台風経路から1000km以上離れた地域においても大雨となることがあります。
高潮台風が沿岸部を通過するときに海面潮位が上昇することがあります。特に、四方(東西南北)のうち三方向が陸で一方が海に繋がる湾の奥では、海側から風が吹く場合に注意が必要です。
台風がもたらす災害の特徴

台風への備え

気象庁では台風予報の他に、2日先までの警報・注意報や、早期注意情報(警報級の可能性)と呼ばれる現在時点から5日先までの注意情報が発表されています。必要な事前対策項目と所要時間を想定し、危険な時間帯を迎える前に対策が完了するように計画を立て、事前の予報をトリガーとして、段階(警報級・注意報)に応じた適切な対策を実施しましょう!

 

 

執筆者情報

資料作成:MS&ADインターリスク総研株式会社

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