今月のポイント:春先の強風に備えましょう

・3月から5月にかけては、台風なみの激しい強風がしばしば発生します。
・気温も温暖になり、お出かけも多い季節であるため、外出先でも注意が必要です。
・気象情報を確認し、適切な備えを早めに実施することが重要です。

春の強風の特徴と、発生事例

・気温が温暖になることで、低気圧が急速に発達し、激しい強風が発生します。(「爆弾低気圧」とも呼ばれます)
・同じ強風である台風と比較して、春の強風は強い風が吹く範囲が広いことが特徴として挙げられます。(右図参照)

過去の事故例(平成24年4月2日~3日)
急速に発達した低気圧によって、日本列島各地に強風や大雨がもたらされました。
75の観測地点で観測史上最大の風速を観測。倒れた小屋の下敷きになったり、風にあおられて転落するなど、死者・負傷者も発生、停電、交通機関のマヒ、首都圏での一斉帰宅の抑制など、台風なみの被害が発生しました。

強風への備え

・台風なみの被害をもたらす「爆弾低気圧」の発生が予想される場合には、気象情報をよく確認することが必要です。
・急速に発達する低気圧によって大荒れの天気が予想される場合は、その数日~1日前に「暴風に関する気象情報」(右図①)が発表されます。災害のおそれのある強風となる半日~数時間前には「強風注意報」(右図②)が発表されます。さらに、重大な災害のおそれがある暴風となる6~3時間前には「暴風警報」(右図④)が発表されます。注意報・警報発表後も、「暴風に関する気象情報」で刻一刻と変化する暴風の状況が発表されます。(右図③、⑤)
・「爆弾低気圧」に対しては台風など他の風水災と同様に、事前に適切な備えを実施することが重要です。具体的な対策については下表もご参照の上、早めの備えをご実施ください。

事前対策

屋根や外壁のひび割れ・めくれの補修
強風の振動や風の吹きこみによって、破損箇所の拡大や外装材の飛散につながるおそれがあります。

窓ガラスへの飛散防止フィルムの貼付雨戸の設置
窓ガラスは飛来物の接触によって破損するおそれがありますので、割れても飛散しない措置が重要になります。・窓枠のがたつきの補修強風の振動により窓の破損を助長するおそれがあります。

倒れそうな樹木や電線に接触している樹木の補強、伐採
倒木による住家や施設の破損、電線の損傷による停電などが考えられます。

飛散しそうな屋外設置物の移動・固定
物干し竿や自転車など、飛ばされやすいものは屋内に移動させることをお勧めします。また、ガスボンベなど固定が必要なものはきちんと固定し、固定器具が劣化していないかどうかの確認も重要です。

雨樋や排水溝の点検、詰まりの除去
枯れ葉や砂が詰まっていた場合、適切に排水できず、雨水のオーバーフローによる雨漏り・浸水につながる恐れがあります。

執筆者情報

資料作成:MS&ADインターリスク総研株式会社

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