今月のポイント:大雪がもたらす災害に備えましょう

・気象庁は現在の積雪の深さと降雪量、3日先の降雪量の予測等の情報提供を始めました。
・大雪は建物の倒壊や交通網の寸断、停電などの被害をもたらします。
・ソフト面、ハード面での適切な備えを早めに行いましょう。

気象庁による新しい雪の情報の提供

・2019年11月より、気象庁は以下の情報提供を開始しました。大雪に対する早めの備えができるようになりました。

①現在の積雪の深さと降雪量の分布の推定(解析降雪量)
②3日先までの降雪量予測
③短時間の大雪に対する一層の警戒を呼びかけ(山形県、福島県(会津地方)、新潟県、富山県、石川県、福井県)

大雪による被害

・大雪は交通機関が混乱するほか、除雪作業中の事故も多発します。
・営業活動、工場の操業など、事業継続にも影響します。

災害の種類主な被害
2018年2月3~4日
北日本から西日本の日本海側を中心とした大雪
・福井県福井市では最深積雪147cmを記録。
・福井県や石川県で多数の車両の立ち往生が発生。
(出典)気象庁「強い冬型の気圧配置による大雪」平成30年2月15日
2014年2月14~19日
関東甲信及び東北地方で記録的な大雪
・山梨県甲府市で最新積雪114cmを記録。ほか北日本と関東甲信地方の18地点で観測史上1位を更新。
・死者24名。関東甲信地方では車両の立ち往生、交通の途絶による集落の孤立が発生。
(出典)気象庁「発達した低気圧による大雪・暴風雪」平成26年2月21日

大雪への備え

・積雪による建物被害、除雪による人的被害が想定されます。
・また従業員が出勤できない、物流が停止する、停電も予想されます。事業継続も検討しておきましょう。

事前対策

・建物の耐雪荷重を確認する。
一般的な建物は、当該地域における50年に1度程度の積雪深による荷重に対して損傷しないように設計されています。

・敷地内の点検と不具合を解消しておく。
スレート屋根や金属屋根の屋根材、留め金が劣化していた場合、耐力低下による積雪荷重が耐えられず破損する例や、外壁のシーリング材の劣化で雪解け水が浸入し水漏れが生じる恐れがあります。

・資機材を準備する。
ヘルメット、手袋、雨合羽、長靴、スコップ、雪下ろし棒、石灰(路面の凍結防止)などを準備します。

大雪が予想されるときの準備

・気象情報、被害情報の入手先を確認する。

・従業員の安否確認手段を確認する。

・出退勤の判断基準と緊急時対応ルールを検討する。
早期帰宅や出退勤停止を指示する基準、責任者の代行順位、在宅勤務ルール、帰宅困難者のための職場内滞在場所などを、確認します。

・従業員の帰宅困難に備え、備蓄品を準備する。

・停電に備える。

・積雪対策を実施する。
雪下ろし、融雪剤の散布等、低温対策(凍結防止ヒーターの起動、配管等の保温、配管の水抜き等)を行います。

・事業所の一時閉鎖を検討する。

 

 

執筆者情報

資料作成:MS&ADインターリスク総研株式会社

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