今月のポイント:大規模地震への備えは万全ですか?
・南海トラフ巨大地震や首都直下地震の発生確率は、今後30年以内で70%程度です。
・大規模地震が発生すると、長期にわたり停電や断水など、ライフラインの途絶が発生します。
・そのような状況を見据え、日頃から十分な災害備蓄品を用意しておくことが重要です。
南海トラフ巨大地震の被害想定
・南海トラフ巨大地震が発生した場合、右図のとおり、東海・近畿・四国・九州地方などで最大震度6強~7の非常に大きな揺れが想定されています。
・ライフラインの被害については、東海地方から九州地方の一部にかけて、下表のような状況が発生すると想定されています。・電気、ガス、水道などが使用できなくなり、日常生活に大きな影響を及ぼすほか、交通網が麻痺して支援物資が届かない状況も考えられます。
項目 | 被災直後の様相 | 復旧期間 |
---|---|---|
電力 | ・東海・近畿・四国・九州2県の約9割、山陽の約3~7割が停電。 | 1週間~1ヶ月程度 |
通信 | ・固定電話は、東海・近畿・四国・九州2県の約9割、山陽の約3~6割が通話不能。輻輳により90%規制。 ・携帯電話は、1日後に東海の約2~8割、近畿の約1割、四国の約8割、九州2県の約4~8割の基地局が停波。輻輳により90%規制。 | 1週間~1ヶ月程度 |
上水道 | ・東海の約6~8割、近畿の約4~6割、山陽の約3~7割、四国・九州2県の約9割が断水。 | 1ヶ月で90%程度復旧 |
下水道 | ・東海・近畿・四国・九州2県の約9割、山陽の約3~7割が利用困難。 | 1ヶ月で90%程度復旧 |
都市ガス | ・東海の約2~6割、近畿の最大1割、山陽の最大1割、四国の約2~9割、九州2県の約3~4割で供給停止。 | 1.5ヶ月で概ね復旧 |
非常時の持ち出し品
・備蓄品・非常時の備蓄品については、右図のようなチェックリストを利用し、必要な品目・数量などを確認しておきましょう。
・備蓄量の基本は「3日分」ですが、大規模災害に対しては「1週間分」が望ましいとされています。
・日常の中に食料備蓄を取り込む「ローリングストック」という方法があります。普段から少し多めに食材・加工品を買っておき、日常生活で消費しながら、消費した分だけ買い足す方法です。是非お試しください。
執筆者情報
資料作成:MS&ADインターリスク総研株式会社