◆はじめに

乳児湿疹とは乳児期にできる湿疹の総称です。乳児脂漏性湿疹をはじめ、乳児のアトピー性皮膚炎も乳児湿疹のひとつです。今回は乳児湿疹の種類とケア方法、家庭でできるスキンケアについてお伝えします。

◆主な乳児湿疹の種類

種類症状ケア方法
乳児脂漏性湿疹
(にゅうじしろうせいしっしん)
・黄色いかさぶたの付いた湿疹や赤い湿疹が混在
・首より上に症状が現れる
・皮脂をきれいに落として肌を清潔に保つ
・頭皮や眉毛にかさぶたがある場合、お風呂に入る
 前にベビーオイルを塗って10分ほどおくと、ふやけて
 取れやすくなる
新生児ざ瘡・頬やおでこに出来るにきび
・生後~1ヶ月頃に多い
・お風呂に入れる際、石けんをしっかり泡立て、泡で優しくくるくるとなでて皮脂をしっかり洗い落とす
・お風呂から上がった後は、ベビーローションなどで保湿することが大切
・肌が触れる衣類や布団をこまめに洗う
乾燥性湿疹・痒みを伴い、乾燥によりひび割れ、粉がふくようになったりする
・外気にさらされている手足や面積が広いお腹や背中に現れやすい
・肌の乾燥を防ぐことが一番の対策のため、お風呂上りにベビーローションなどを使用し保湿する
・冬場は加湿器を使用する
・爪で引っかいて湿疹を悪化させないために爪は切っておく
汗疹(あせも)・ピンクや赤色の小さな痒みのある発疹ができる
・頭やおでこ、首など汗がたまりやすい部分に現れる
・汗が原因で起きるため、患部を常に清潔に保つことが一番の対策
・汗を頻繁にかく場合は、濡らしたタオルなどで汗をこまめに拭き取る

◆湿疹の悪化を防ぐための家庭でできるスキンケア

子どもは新陳代謝がさかんで、1日中寝ていても汗などによって皮膚は汚れているため、毎日お風呂に入りましょう。
子どもの肌はデリケートなので、専用の石けんを使用した方が良いです。泡で出るタイプのものが使いやすいです。
耳もていねいに洗い、首などはしわを伸ばして洗いましょう。

【洗い方のポイント】
①石けんはよく泡立てて使いましょう
②お湯の温度は38~40℃が適温です
③手で優しく洗いましょう
④顔も石けんで洗います
⑤石けんが残らないようによくすすぎましょう
⑥拭くときは抑え拭きでこすらないようにしましょう
⑦お風呂後5分以内に保湿剤を塗りましょう

保湿剤について
保湿剤は必要量を塗ることが大切です。
皮膚が光るくらい、もしくはティッシュ1枚がくっつくくらいの量を塗ります。
保湿剤は、乾燥しやすい冬では膜を作ってくれる軟膏タイプ、夏にはさらっと塗れるローションやフォームタイプなど季節に合わせて選択するのが良いでしょう。

執筆:澤村 清美 (看護師)

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