安全性優良事業所認定制度とは、利用者がより安全性の高い事業者を選びやすくするなどの観点から、輸送の安全の確保に積極的に取り組んでいる安全・安心な事業所を「安全性優良事業所」として、公益社団法人全日本トラック協会が認定する制度をいいます。平成30年12月現在で、 「安全性優良事業所」として認定されている事業所は25,343事業所にのぼり、全トラック運送事業所の29.6%、約3割を占めています。
今回は、安全性優良事業所認定制度(以下、Gマーク制度といいます。)を紹介します。

 

Gマーク制度の概要

安全性優良事業所とGマーク

安全性優良事業所に認定されると、その証として「Gマーク」が与えられます。
そのことから、一般に、当該認定制度は「Gマーク制度」、安全性優良事業所は「Gマーク事業所」と呼ばれています。 Gマークをトラックの車体につけることで、安全・安心なトラックであることを荷主企業や一般消費者にアピールすることができ、企業経営に大きな成果をもたらします。

Gマーク事業所は事故が少ない

平成29年の事業用トラック1万台あたりの事故件数をみると、Gマーク事業所におけるトラックの死亡・重傷事故の件数は、Gマークを取得していない事業所のトラックと比較して半数以下となっています。

乗務員に起因する事故件数についても半数近くとなっており、Gマーク事業所のトラックが信頼できる安全・安心なトラックであることを証明しています。

Gマーク事業所へのインセンティブの付与

Gマーク事業所に対しては、国土交通省等からさまざまなインセンティブが付与されています。
例えば、国土交通省では処分日車数10日車までごとに1点とするなどの違反点数制度が設けられていますが、通常、3年となっている違反点数の付与期間について、Gマーク事業所の場合は、違反点数与後2年間違反点数の付与がない場合、当該違反点数が消去されたり、対面点呼に代えて、国土交通大臣が定める設置型又は携帯型のカメラを有する機器による営業所間等での点呼が可能となります。

また、都道府県トラック協会の会員事業者に対する助成事業(ドライバー等安全教育訓練促進助成制度や安全装置等導入促進助成事業など)について、優遇措置を受けられます。

Gマーク事業所の認定を受けるには

Gマーク事業所の認定については、安全性評価委員会の評価を経て、公益社団法人全日本トラック協会(全国貨物自動車運送適正化事業実施機関)で行われ、法令の遵守状況と安全性に関する取組の積極性を評価するため、38項目の評価基準が設けられており、100点満点中80点以上の評価と社会保険等の適正加入などが認定の要件となっています。

執筆者情報

記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研

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