タイヤチェーンを装着していない車両による大渋滞の発生を防止するため、「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の標識のある区間では、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤであっても、チェーンを装着していない車両は通行できません。これが「チェーン規制」といわれるものです。
そこで今回は「チェーン規制」についてご紹介します。

 

1 チェーン規制とは

チェーンを装着していなかった車両が上り坂を登れなかったことなどにより、大規模な渋滞が発生するケースが少なくありません。そうした事態を防止するために、右に示した「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の標識のある区間では、タイヤチェーンを装着していない車の通行が禁止されます。

チェーン規制時には、規制区間の手前でタイヤチェーン装着状況の確認が行われることになっており、タイヤチェーンを装着していない車は引き返すなどして、別な運行経路を走行するしかありません。
したがって、電光掲示板などに表示される「チェーン装着」といった注意喚起とは異なりますから、その点をよく認識しておく必要があります。

チェーン規制対象区間をチェーンなしで走行した場合は、
道路法や道路交通法等の違反で処罰されることがあります。

2 チェーン規制場所や時期等

チェーン規制は、急な上り下りがある峠などで、過去に雪による立ち往生や通行止めが起こった場所の中で、タイヤチェーンを着脱できる場所や通行止めが解除されるまで待機できる場所がある区間で実施されることになっており、具体的な規制区間や時期については、国土交通省より公表されることになっています。

また、実施時期については、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときに行われることになっています。乗務開始前の点呼において、運行ルートを確認し、安全の確保に必要な指示をしてください。

3 チェーンは冬期の必需品

タイヤチェーンは冬期の必需品です。降雪が少ない地域でも、最近は異常気象等により、想定以上の降雪がある可能性もありますから、万一に備えてタイヤチェーンを装備しておきましょう。

また、タイヤのサイズにあったチェーンが備えられているか、損傷などがないかを確認しておきます。タイヤチェーンを装備していても、正しい装着ができないと役に立ちませんから、確実なチェーンの装着を行うために、事前に説明書に従って装着の仕方について練習をしておきましょう。

執筆者情報

記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研

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