車内(運転席)が整理・整頓されていないと、走行中に物が落ちるなどにより注意が分散し、思わぬ事故につながるおそれがあります。また、物の置き方によっては安全窓を塞いでしまうこともあります。車内の整理・整頓は安全運行の大前提です。
そこで今回は、整理・整頓されていない車内の危険性や、整理・整頓する際の留意点などをまとめてみます。

 

整理・整頓されていない車内の危険性

車内が整理・整頓されていないと、次のような危険が生じます。

・助手席に物を置いていたり、ダッシュボードに伝票などを置いていると、ハンドルを切ったときやブレーキを踏んだとき、段差のある場所などで転げ落ち、それに目を奪われて脇見運転になる危険があります。
・転げ落ちそうになった物を手で支えようとすると、ハンドル操作などに支障をきたす危険があります。
・助手席の荷物が安全窓を塞いで、左側方の死角を大きくさせる危険があります。
・ダッシュボードに置いた伝票等が、フロントガラスに映り込んで視界が悪くなる危険があります。
・空き缶やペットボトルを車内に放置していると、床に転がりブレーキペダルとの間に挟って、ペダルが十分に踏めなくなる危険があります。

整理・整頓の習慣をつくる

車に乗り込んだときや車から降りるときには、空き缶やペットボトルなどが放置されていないか、ダッシュボードなどに物が置かれていないかなどを確認し、常に車内の整理・整頓を心がける習慣をつけましょう。

安全窓を塞がない

運転席の左側下部の安全窓は、左側方の死角を少なくして、左折時の巻込み事故などを防止するために設けられているものですが、ダンボールなどの荷物で塞がれていたり、あるいはカーテンを付けたりシールを貼って意図的に安全窓を覆っているトラックも見かけられます。
安全窓を塞ぐ行為は、左側方の歩行者や自転車、二輪車を見落とす危険があるだけでなく、違反行為(乗車積載方法違反)でもありますから、安全窓を塞がないようにします。

車内ゴミのポイ捨てをしない

車内の整理・整頓をするために、空の弁当箱などの車内ゴミを道路や駐車施設にポイ捨てにする行為は、周辺住民に対する重大な迷惑行為であり、決して許されるものではありません。全日本トラック協会では、車内ゴミのポイ捨て防止を徹底するため、次の事項を呼びかけています。

・道路や駐車施設などへのゴミのポイ捨ては絶対に止めよう。
・車内のゴミは必ず事業所に持ち帰ろう。
・車内のゴミを管理するために、きちんとしたゴミ袋を用意しよう。
・事業所周辺のゴミの清掃や地域の清掃活動に参加しよう。

走行中の物の投げ捨てをしない

走行中に車外に物を投げ捨てる行為は、道路交通法第76条に定められている禁止行為(道路において進行中の車両等から物件を投げること)に該当し、違反行為となります。この場合の「物件」とは、空き缶やペットボトルに限らず、紙くずやレジ袋、タバコの吸殻なども含まれるとされています。
走行中の物の投げ捨ては極めて危険な行為でもありますから、物の種類を問わず投げ捨ては絶対に止めましょう。

執筆者情報

記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研

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