現在、全国でワクチン接種が進められていますが、このほど国土交通省より、事業用自動車の運転者が新型コロナワクチン接種する際に、輸送の安全確保の観点から運転者及び事業者の留意事項が示されました。そこで今回は「新型コロナワクチンの接種に係る留意事項」の内容と厚生労働省のホームページに掲載されているワクチン接種の副反応等についてご紹介します。

 

1新型コロナワクチンの接種に係る留意事項

新型コロナワクチンの接種に係る運転者及び事業者の留意事項は、以下のとおりです。

1.厚生労働省のホームページ等を参考に、ワクチン接種の副反応について正しい知識を持った上で、接種に臨むこと。

2.接種後の自動車の運転が制限されるわけではないが、接種後1~2日の間は、発熱等の体調変化に注意するとともに、点呼時にも入念に体調確認を行うこと。

3.接種後、運転中に体調の異変を感じた場合には、無理に運行を継続するのではなく、速やかに営業所に連絡する等の指導を徹底するとともに、営業所において運行中止等の判断・指示を適切に実施するための体制を確保すること。

4.その他、かかりつけ医や産業医にも相談し健康管理に留意すること。

2ワクチン接種に係る副反応等の知識

厚生労働省のホームページに掲載されている「新型コロナワクチンQ&A」(2021年6月25日時点、以下同じ)のなかから、ワクチン接種に係る副反応等の知識をいくつかご紹介します。

副反応にはどのようなものがあるか

・現在、日本で接種が進められている新型コロナワクチンでは、接種後に注射部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱等がみられることがあります。こうした症状の大部分は、接種後数日以内に回復しています。
・稀な頻度でアナフィラキシー(急性のアレルギー反応)が発生したことが報告されています。もし、アナフィラキシーが起きたときには、接種会場や医療機関ですぐに治療を行うことになります。

ワクチン接種後に熱が出たら、どうすればよいか

・ワクチンによる発熱は接種後1~2日以内に起こることが多く、必要な場合は解熱鎮痛剤を服用するなどして様子をみます。このほか、ワクチン接種後に比較的起きやすい症状としては、頭痛、疲労、筋肉痛、悪寒(さむけ)、関節痛などがあります。
・ワクチンによる発熱か、新型コロナウイルス感染症かを見分けるには、発熱以外に、咳や咽頭痛、味覚・嗅覚の消失、息切れ等の症状がないかどうかが、手がかりとなります。(ワクチンによる発熱では、通常、これらの症状はみられません。)
・ワクチンを受けた後、2日間以上熱が続く場合や、症状が重い場合、ワクチンでは起こりにくい上記の症状がみられる場合には医療機関等への受診や相談をご検討ください。

ワクチン接種後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛剤を服用してよいか

・ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬で対応することも考えられますが、特に下記のような場合は、主治医や薬剤師にご相談ください。
・他のお薬を内服している場合や、妊娠中、授乳中、ご高齢、胃・十二指腸潰瘍や腎機能低下など病気治療中の場合(飲める薬が限られていることがあります。)
・薬などによりアレルギー症状やぜんそくを起こしたことがある場合
・激しい痛みや高熱など、症状が重い場合や、症状が長く続いている場合
・ワクチン接種後としては典型的でない症状がみられる場合
・なお、ワクチンを受けた後、症状が出る前に、解熱鎮痛薬を予防的に繰り返し内服することについては、現在のところ推奨されていません。

執筆者情報

記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研

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