今月のポイント:増加する落雷被害に備えましょう!

・雷は、人的被害のみならず、建物の損壊や多くの設備の故障を引き起こします。
・近年は雷害の件数、規模ともに増加傾向となっています。また、直接的な被害だけではなく、間接的な被害(事業中断等)の可能性もあります。
・雷害リスクを正しく理解し、事前対策が必要になります。

雷発生のメカニズム

上昇気流によって発達した積乱雲の中で、氷片が互いにぶつかり合うことにより帯電します。(小さい氷片は「+」に、大きい氷片は「-」に帯電。)重力や上昇気流により雲の上層部と下層部で電位差が生じ、そのエネルギーが地上へ放電(落雷)となって現れます。

雷害件数の増加

近年の異常気象や郊外型施設・高層建築物の増加などが雷害件数増加の一因と考えられています。また、社会的に増加している電気電子機器等の弱電設備や通信設備が過電圧(雷サージ)を受けやすく、被害件数の増加につながっています。

建物や設備は雷害に備えていますか?

増加する雷害に備えるポイントは以下の通りです。

避雷針や避雷器を設置していますか?

①避雷針建物を直撃雷による被害からまもるには、避雷針が有効です。
※建築基準法では、高さ20m以上の建築物や工作物への避雷針設置を義務付けています。

②避雷器(SPD:Surge Protective Device)設備を誘導雷や逆流雷による被害からまもるには、避雷針だけでは不十分です。サーバー、火災報知器、監視カメラ、放送設備などは避雷器の設置を検討ください。

雷鳴が聞こえたら…まず避難!

建物の中◎ 自動車○ 木の下(雨宿り)× ⇒ 木や電柱からは4m以上離れてください。近くに避難する場所がない場合は、姿勢を低くしましょう。

雷ナウキャストをご存じですか?(気象庁)

雷ナウキャストは、雷の激しさや雷の可能性を1km格子単位で解析し、その1時間後(10分~60分先)までの予測を行うもので、10分毎に更新して提供します。予測については、雷雲の移動方向に移動させるとともに、雷雲の盛衰の傾向も考慮しています。
落雷の発生予測情報を活用して、早期避難による人的被害の防止や、重要設備の一時休止による被害回避など、ソフト面をあわせた有効な雷害対策を実施することが可能です。

 

 

執筆者情報

資料作成:MS&ADインターリスク総研株式会社

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