学校が休校になったり、休みの日も出かけられなかったり、子どもたちにとって経験の場が制限される日々が続いています。習い事に通わせたい、学びや経験の機会を与えてあげたい・・・そう思ってもなかなか外には連れ出せない中で、「家事のお手伝い」はとても大きな学びの機会になります。特に、昨今話題の「名もなき家事」は、子どもたちが考える力を身に着けるのにとても大きな役割を果たしてくれます。
一緒に過ごせるこの時間を、見えないものを「考え」「見る」習慣を身に着ける時間に変えませんか?

話題の「名もなき家事」とは・・・

家事といえば、「料理」「洗濯」「掃除」 など、大きく分類すれば数えられる程度の項目に分けられるように思えますが、実際は無数の細かなタスクで分けられ、とても複雑にバランスを取りながら処理される高度な作業です。
このほとんどは、家事に慣れた誰かによって目に見えない早さで処理され、気づかないうちに準備されるため、実際に家事を行う人しか見えない階段になっています。

「料理」を考える・・・

「ママと一緒にお料理したい」とお手伝いを願い出て、一緒に料理をしたことがある子どもはたくさんいると思います。
では、「料理をする」ってどんな準備が必要か知っている子どもはどれほどいるでしょうか?
料理ができる環境(水回りの整理整頓)、道具の準備、材料の調達、経費の計算、下ごしらえ、調理、配膳、後片付けなど、「ただ一品料理をする」だけで、少なくともこれだけの作業があります。さらに、実際にはここに「下の子が泣いている」「電話がかかってきた」「雨が降ってきたから洗濯物を取り込まないといけない」などの様々なアクシデントが舞い込み、即座に「優先順位をつけて」対処しなくてはいけません。

この「順序だてて考える」「優先順位をつけて作業する」という力こそ、実際に生活する上でも、学校で「算数」や「国語」を学ぶ上でも、共通して必要となる大切な力になります☆

学びに大切なのは「見えないところで何が行われているのか」を知り、実践することの難しさを知ること

教える側にとって、目に見えないことや当たり前に処理している作業を「わかりやすく説明する」のはとても手間がかかります。しかし、教わる側にとっては、「教えてもらわなければわからないこと」であり、「うまくいかない要因」でもあるため、この「見えないところ」にこそ、作業を達成するための「大切な要素」がつまっています。

教える側が無意識にこなしている事を「丁寧に教える」ことで、家族と過ごす時間が楽しく学べる充実した「アクティブラーニング」の時間に変わっていくのではないでしょうか♪

見えないものは「わからなくて当たり前」「出来なくて当たり前」
無意識を共有することでイライラを笑顔に♪楽しく学ぶきっかけに♪

執筆者情報

株式会社東京リハビリテーションサービス
言語聴覚士 堀川 由樹子

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