事例紹介

B君は、来年小学生になる5歳の男の子。
ある日、B君のお母さんから幼稚園の担任の先生に相談がありました。それは「家でトイレに行くとき、服を全部脱いで真っ裸になってしまいます。最初は注意していたんですけど、なかなか直らず、そのうち脱がなくなるかと思って放っておいたんですけど…来年小学生になるし…」という内容でした。幼稚園ではそのような様子もなかったので、担任の先生は悩んでしまいました。
他の先生に相談したところ、あるエピソードがきっかけであることが分かりました。また、ご家庭での様子を詳しく聞いていると、B君にはある服のこだわりがあり、それも理由のひとつであることが分かりました。

トイレで真っ裸になってしまう理由は?

B君は、なかなかオムツがとれず、トイレに一人で行けるようになるまで時間がかかっていたそうです。そこで、トイレトレーニングとして、時間を決めて誘導したり、ご褒美シールを取り入れたり、お友達がしているところを見せてみたり、あらゆる取り組みをした結果、園では他のお友達同様、トイレにひとりで行けるようになりました。

ある日、B君が「家でおもらししてしまい、パンツやズボンが汚れてしまってお母さんに怒られた」とお話ししてくれたことがあったそうです。担任の先生は、B君が「服を汚してしまうのが嫌で、全部脱ぐ習慣がついたのでは?」と考えるようになりました。

トイレトレーニングは気長に、失敗しても「叱らない」こと

トイレトレーニングは、一般的にはひとりで座ることができたり、自分の意思を伝えられるようになる、2歳前後が良いとされていますが、開始時期は1歳半~3歳までとばらつきがあります。また、ひとりで行けるようになるまでには個人差もあり、B君のようにスムーズに自立に繋がらないお子さんもいます。この為、周りのお友達ができているのに自分だけできていないことがプレッシャーになったり、一回失敗したことで過度に恥ずかしさを感じたり、怒られたことがトラウマになってしまうこともあります。

トイレトレーニングは、一旦ストップしてもいいので、無理をさせずに気長に子どもの様子を見ながら取り組みましょう。

服を脱いでしまうもうひとつの理由、それは衣服?

B君が家のトイレで服を脱ぐ理由、それは衣服の構造にありました。

B君は幼稚園ではいつも半袖半ズボンの体育着を着て過ごしていました。家では、ある特定の服を嫌がることがあり、タグがたくさんついている服、長袖や長ズボンを着ることを極端に嫌がっていました。

B君のように感覚に過敏さを持っているお子さんは、衣服の裏の縫い目でさえ気になってしまい、体が緊張してしまうことがあります。トイレで全部服を脱いでしまうのも、そのような衣服の締め付けやチクチクが嫌で、リラックスした環境でトイレをする習慣がついたのかもしれません。

できそうでできない!?トイレの自立。
トイレが一人でできる様になるまでには、子どもなりのルールや理由があるかもしれません。

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