事例紹介

 B君は、いつも活発で元気な来年小学生になる男の子。B君の両親は、毎日仕事で忙しく、毎朝近くに住んでいるおばあちゃんが家まで来て、B君の身の回りのお世話をしていました。

 B君が通う幼稚園では、週末にお泊りキャンプが企画されていました。キャンプ当日、いつものように朝おばあちゃんが家に行き、準備を一緒にしてから送り出す予定でした。この日は10時にお迎えのバスが来る予定だったため、おばあちゃんは9時頃に家に到着しました。すると、B君は「おばあちゃんなんて大嫌い!!」と泣き叫んで部屋の隅っこでふさぎ込んだまま動こうとしません。困り果てたおばあちゃんは、「キャンプに行きたくないのかしら?」などと考えを巡らせますが、理由が分かりません。 B君はなぜ泣き叫んでいたのでしょうか?

B君はなぜ「おばあちゃんなんて大嫌い!!」と言ってしまったの?

おばあちゃんは、「ごめんね、ごめんね。何が嫌だったの?」とB君を抱きしめながら、問いかけ続けました。すると、少しづつ興奮が落ち着き、話をしてくれるようになりました。

平日は9時に登園バスに乗るために、おばあちゃんはいつも8時頃家に来ていました。このため、B君はこの日も同じ時間と思い込み、ずっとおばあちゃんを待っていたのでしょう。
 B君の頭の中では、「おばあちゃんが家に来ない」→「準備が出来ない」→「お迎えの時間に間に合わない」→「キャンプに行けない」→「家に来ないおばあちゃんのせいだ!」という考えに至り、「おばあちゃんなんて大嫌い!!」という言葉を発したのです。

・B君:「もうキャンプに行けない!」
・おばあちゃん:「なんで行けないの?」
・B君:「もう間に合わない!」
・おばあちゃん:「まだ時間あるよ。今は9時だよね。お迎えは10時だから時間はたっぷりあるよ。」
・B君:「えっ、9時お迎えじゃないの??」

時間管理ができない子どもは、時間に無頓着!?

・段取りをたてることができない
・準備している途中で他のことに気が散ってしまう
・時間がどのくらいたっているか分からない
・よく遅刻してしまう

 このように時間管理が苦手なお子さんは時間を気にしていないようにも思えますが、一概に時間に無頓着とは限りません。B君のように、「〇時に〇〇がある」と頭の中にインプットされると、そればかりが気になって他のことが考えられない、自分は時間管理が苦手であることを知っているがゆえに時計を過剰に気にしてしまうこともあります。

 B君の場合、いつもと違うイベントがある前日に、一緒にスケジュール表を見ながら予習をしていればパニックにならなかったのかもしれません。そして、子どもが泣き叫んでいたら、ついつい「泣かない!」「我慢しなさい!」などと理由も聞かず、自分のペースで対応をしてしまいがちです。パニックになったときでも、おばあちゃんのように、まずは「ごめんね」と謝り、お子さんなりの考えを聞く場を設けてあげることが大切です。

時間管理が苦手なお子さんでも自分なりに手立てを考えています。
ます子どもが自ら理由を伝えられる対応をしましょう!

執筆者情報

執筆:株式会社東京リハビリテーションサービス 
作業療法士・公認心理師 竹中 佐江子

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