SIDS(乳幼児突然死症候群)とは?

元気で、すくすく育っていた赤ちゃんが、ある日突然死亡する、これが乳幼児突然死症候(Sudden Infant Death Syndrome-SIDS-シッズ)という病気です。

日本では、乳児の死亡原因の第2位となっています。原因は不明ですが、防御反射の異常が関与していると考えられています。乳幼児は、睡眠時に極短時間の無呼吸や呼吸リズムの乱れが起こることがあります。通常はこの状態から容易に回復できますが、防御反射の未熟などにより、この状態から抜け出せないことが、突然死に至らしめるという説があります。1歳未満の乳幼児に多く、特に、うつ伏せで寝かされていた赤ちゃんにSIDSの発症頻度が高いことが疫学調査で明らかになっています。また、多くが寒い時期に発症しています。

睡眠中の見守りポイント

SIDSは「預かり初期」に発症リスクが高い

アメリカでは、預かり1週間以内に全体の3分の1、更にその半数が初日に発症しています。
国内調査でも(2006年)預かり1ヵ月以内のSIDS発症率が高いことが確認されました。

睡眠中、寝返りでうつ伏せや横向きになった時は、直ぐに仰向けにする

うつ伏せへ体勢を変えた後、短時間のうちにSIDSによる呼吸停止が起きている事案もあります。

うつ伏せ寝の習慣があるお子様には、仰向き寝の習慣をつけていく

保護者へお伝えし、ご協力を得るようにしましょう。

睡眠チェックを定期的に行うようにする

目視では呼吸しているか否かわかりにくいので、お子様に触れることで「生きている確認」と「触る刺激による予防」を同時に実施できます。

部屋は暗くしないよう、布団が顔にかからないようにする

「表情が見えるように」「呼気がこもらないよう」にするためです。

睡眠チェックは、タイマーを使用して行う

チェックが1回でも抜けることが無いよう継続することが大切です。

SIDSは病気で、窒息事故ではありません
お子様がうつ伏せ寝で口鼻が閉塞していない状態、横向き寝・仰向き寝でも発症します

SIDSは原因不明の病気です。出来得る限りの予防対策を講じていても、残念ながら不幸に見舞われることがあります。
そのような時に必要になってくるのが、子どもを亡くされた親や支援者に対するグリーフケアです。

~グリーフケアとは~ 悲しみへのケアです

死別を経験しグリーフに陥ったときには、早期に自分の混乱とその整理、亡くなった方の生きた意味・自分の生きる道、人生の意義などに気づくことができ、前向きに人生を捉え直すことができるようじっくり話を傾聴しサポートしてくれる人が必要です。このようなサポート・ケアのことを「グリーフケア」といいます。

グリーフの反応

精神的な反応:孤独、寂しさ、やるせなさ、罪悪感、自責感、無力感
身体的な反応:睡眠障害、食欲障害、体力の低下、頭痛、肩こり、めまい、動悸、胃腸不調
血圧上昇、白髪の急増、自律神経失調症、体重減少、免疫機能の低下、身体の違和感
日常生活や行動の変化:ぼんやりする、涙が溢れてくる、死別をきっかけとした反応性の「うつ」により引きこもる、
落ち着きがなくなる、より動き回って仕事しようとする
*このような症状は、混在して時構わず起こり、きっかけさえあれば再発することもあり、長期にわたるケアが必要です。

執筆者情報

執筆:株式会社東京リハビリテーションサービス 
看護師 澤村 清美

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