事例紹介

2歳になったばかりのAちゃんが、保育園に入園してきました。
お母さんは中国の出身で、日本語はさほど流暢に話すことが出来ませんでしたが、担任の先生が言っていることは理解している様子でした。入園して2ヶ月が経ち、Aちゃんは園にも慣れ、毎日元気に走り回っていました。
ある日、いつもの様に園庭で遊んでいましたが、その日は気温が一気に上がり、子ども達は汗だくになってしまったため、先生は冷たいお茶を皆に飲ませました。帰りがけに、お母さんに今日のAちゃんの様子をお伝えするとともに、明日からは水浴びをするので着替えを持って来て欲しいと伝えると、お母さんは怪訝な顔をして次の日は園をお休みされました。
担任の先生は、「怒らせてしまったかな?」と心配になり、園長先生に相談しました。

本当に怒ってしまったの?

このエピソードだけでは、お母さんがどうして怒ってしまったのか、検討もつかないのではないでしょうか?
考えられる理由として、
・お母さんが着替えを用意するのが大変?
・Aちゃんは水が苦手なのかな?
・屋外で遊ぶと汚れてしまうから?
・伝えた内容と違った意味に捉えられてしまった?

など、色々な理由が頭に浮かんできます。
しかし、お母さんから理由を聞き取ることも出来ず…これからどう接したら良いか、困ってしまいますね。

理由は日本と中国の「文化の違い」

お母さんが怪訝な表情になった理由、それは「冷たいものを避ける」という中国の習慣にありました。
中国では、冷たい食べ物は、胃腸や体に悪いという考えが根付いており、飲み物も常温で飲むことが多いと言われています。「冷たいものは体に良くない」というだけなら日本人でも想像できますが、「お風呂は体を冷やすため、毎日入らない」という習慣もあるようです。「水浴びをする」ということを聞いて、お母さんはAちゃんの体のことを心配されたのかもしれません。 担任の先生は、後日園長先生を通してお父さんからそのことを聞き、体を動かして汗をかいた後は、常温の水分を取ることと、汗をかいたらしっかりと体を拭くことを約束し、毎日通園するようになりました。

「文化の違い」は子どもの発達に影響する?

本例のように、他国の文化の違いが、子どもの生活習慣の基盤が作られる保育園の過ごし方に影響することがあります。例えば、食事場面で食具を使う際、手で食べる習慣がある国のお子さんの場合、スプーンやフォークの使用をどこまで促せば良いでしょうか。また、家の中では両親ともに日本語を話さない場合、園ではどう声掛けをしていくべきでしょうか。特に1歳から2歳にかけては、道具や言葉の発達が急速に進む時期であるため、保育場面では先生である保育者の皆さんが困惑することもあるかと思います。
関わり方に正解がある訳ではないですが、将来どんな環境で育てていきたいか等ご両親の考えを確認すること、子ども自身が保育園で無理なく、楽しく過ごすことが出来ているかを日々観察することが大切ですね。

意外と知らない?日本と他国の文化の違い
どんな環境であっても、子どもが無理なく楽しく過ごせる生活習慣作りを!

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