このほど、公益社団法人 全日本トラック協会のホームページに、動画「ドライバーの食生活と健康管理」が公開されました。この動画は、とかく食事がおろそかになりやすいトラックドライバーの食生活の改善を向けに制作されたもので、全6回の制作が予定されています。
今回は、この動画のご紹介と合わせて、健康起因事故防止のための健康管理のポイントをご紹介します。
動画「ドライバーの食生活と健康管理」 第1回と第2回の主な内容
◆第1回 不規則ドライバーと食事のタイミング
食事が不規則になりがちなトラックドライバーのために、体内時計を考慮した食事のタイミングと食事の内容が取り上げられています。 体内時計が乱れると、生活習慣病などさまざまな疾患の原因となるため、体内時計を正常に保つことが重要であり、そのため食事のポイントなどが解説されています。
◆第2回 水分補給のコツと重要性
十分な水分の補給をしないで長時間運転や積卸しなどの屋外作業をすると脱水症や熱中症になるおそれがあることから、それを防止するための水分補給のコツが取り上げられています。脱水症になっていないかを自分でチェックする方法や一日の水分摂取の目安、スポーツドリンクの飲み方などが解説されています。
健康起因事故防止のための健康管理のポイント
◆健康起因事故とは
健康起因事故とは、睡眠時無呼吸症候群(以下、「SAS」といいます。)や心臓発作、心筋梗塞、脳卒中などの疾患が原因で発生した事故をいいます。多くの場合、ドライバーは意識を失うため、運転不能状態となり重大事故につながります。 トラック事業においては、ここ数年増加傾向がみられ、防止対策への取組みが望まれます。
◆健康起因事故防止の基本は健康診断
健康起因事故防止の基本は、疾患の早期発見、早期治療です。そのために不可欠であるのが健康診断であり、トラック事業者には健康診断の確実な実施が強く求められています
健康診断は計画的に実施するとともに、受診状況を必ずチェックし、未受診者には再度受診の機会を与えるなどの措置を講じましょう。
◆血圧管理の指導
血圧管理は、健康管理にとって非常に重要です。特に高血圧は動脈硬化や脳卒中などさまざまな生活習慣病の元凶といわれていますので、定期的に血圧測定を行うよう指導する必要があります。また、高血圧にならないよう普段から適度に運動する、塩分を控えるなどの指導も大切です。
◆「SAS」の疑いがあれば早急に検査を
運転中に突然強い眠気をもたらす「SAS」 は、きわめて危険な疾患です。しかも、本人は気づきにくいという特徴があり、発見が遅れやすいという特徴があります。家族の協力も得て「SAS」 の疑いのある人の把握に努めるとともに、該当する人がある場合、早急に検査が受けられる体制を整えておきましょう。
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記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社