建設業においては「適切な保険」に加入していないと現場入場ができないという状況です。しかしながら、事業所の形態等により、加入すべき保険が違います。自社が加入すべき保険について整理をしていきましょう。

労災保険・業務災害の認定

労災保険の種類

労災保険とは、業務上の自由または通勤途中に起こった事故によって、負傷、疾病、死亡等の被害を負った労働者やその遺族に対する補償のことで、正式には「労働者災害補償保険」といいます。
労災保険には、業務中に起こった場合の業務災害と、通勤途中に起こった通勤災害に分けられます。

業務上災害かどうかの判断

業務上の負傷かどうかは業務遂行性と業務起因性という観点から決定していきます。

業務遂行性
①事業主の支配、管理下で業務に従事していた場合
   ×本人が故意に災害を発生させた場合
   ×地震、台風などの天災事変で被災した場合
   (事業場の立地等によっては業務災害と認められることもあります。)
   ×労働者が個人的な恨み等により、第三者から暴行を受けて被災した場合
②事業主の支配、管理下にあるが業務に従事していない場合
   ×休憩時間等に発生した怪我
   〇トイレ等の生理的行為は、業務に付随する業務
③事業主の支配下にあるが、管理下を離れて業務をしていた場合
   〇出張等で外出していて、管理下を離れている場合
   〇外出中であっても、事業主の命令を受けて仕事をしている場合

◆ 業務起因性
業務との間に相当な因果関係が認められる場合をいいます。
①労働の場に有害因子が存在していること
②健康障害をおこしうるほどの有害因子にさらされたこと
③発症の経過および病態が医学的にみて妥当であること


ポイント!
業務上の怪我や病気については、上記より判断します。
例えば業務中に倒れたとしても、その原因が持病の心臓の病気からくるものだったりすれば、業務遂行性はあるが、業務起因性はないと判断され、労災認定はされません。

◆次回も、各保険について解説していきます!

執筆者情報

記事の作成・編集:社会保険労務士法人アスミル

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