
◆保育者がまずしなければならない対応は?
「Bちゃん痛かったね。冷やそうね」と言って、すぐに室内に連れて行きましょう。その時に、Aちゃんも一緒に連れて行くことが大切です。 Aちゃんの気持ちにも寄り添い、そばにいてあげるよ(Aちゃんも大事な子だよ)という思いを行動で伝えましょう。以下のような行動は好ましい対応ではありません。何故❌なのか保育者同士で話し合ってみると良いでしょう
❌Aちゃんをきびしく叱る ❌どうして噛んだの?と問いただす ❌Aちゃんを砂場に置いていく
◆「たたく」「かみつく」などのトラブルを防ぐ対応策
Aちゃんは何故、お友達を叩いたり、腕に噛み付いたりしたのでしょう?いくつかの理由が考えられますが、言葉でうまく伝えられずに、乱暴な行動をとったと考えられます。つまりAちゃんがBちゃんを叩いたのは、「言葉に変わる行為」なのです。小さい子どもにはよくあることです。ですから、叩いたり噛み付いたりしてはいけないことを繰り返し粘り強く教えた上で、「貸して」や「それを使いたい」「やめて」などの言葉を教えるのが良いです。また、叩いたり噛み付いたりする代わりとなる好ましい行動を教えてあげることも有効です。例えば 以下のような行為を繰り返し一緒にやり方を見せながら教えてあげてください。言葉が出ずすぐに手が出てしまう子どもだけでなく、そこにいるみんなが使えると良いですね。
⭕️軽く相手の肩をポンポンとして「貸して」 ⭕️物を指さして両手を手を叩き「使いたい」 ⭕️両腕を交差して「やめて」
◆保護者への連絡の仕方
どちらの保護者にも、子どもの気持ちに寄り添いながら、保育者自身が見ていた事実のみをしっかり伝えましょう。周りの子どもが言っていたことや、子ども本人が言っていたことを伝えることは、事実でないことが混ざってしまう可能性があります。
そのためにも、保育中はいつもこまめにメモをとっておくとよいでしょう。
状況をきちんと伝えることで、保護者に保育者への信頼感と保育施設全体への安心感が生まれます。
Bちゃんの保護者に対しては、怪我をさせてしまったことを十分にお詫びした上で、完治するまで連絡を続け、Aちゃんの保護者に対しては、家庭での様子を聞いたり、日常の参観や個別相談など、保護者の要望を聞いてみましょう。

|
「自分の頭を叩いたり、自分の手を噛んだりする時の対応 |
「発達障害の子ども」はそれぞれの特性は違いますが、次のような共通点があります。共通点を理解し、できないことを非難するのではなく、良いところを見つけて褒めて、温かく見守ってあげましょう。

執筆:戸次 佳子(東京福祉大学・大学院教授/日本こども成育協会シニアフェロー)
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。