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| ■それ誤薬事故ですか? 介護付き有料老人ホームに入所しているMさん(82歳女性・要介護4)は、軽度の認知症と重い半身麻痺があり、食事や服薬は職員が介助しています。Mさんは最近、臥床していることが多くなり、便秘がひどくなってきたため、看護師の指示で就寝前に下剤を飲むことが増えていました。この施設は24時間看護師が常駐しており、毎回看護師が指示を出しています。 |
■服薬量を間違えたのだから誤薬
本事例は、一見すると看護師と介護職員のコミュニケーション不足が原因で発生した誤薬事故のように見えます。看護師が指示した服薬量を介護職員が誤って服用させたということであれば、主任が言うように「誤薬事故だ」との指摘も、あながち間違いではありません。
しかし、この一見誤薬のように見える事故は、介護職員が行ってはいけない医療行為をしていることになり、場合によっては看護師も医師法違反に問われる可能性があります。昨年5月に厚労省は、介護現場における「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」を新たに公表しました。このガイドラインは以前から分かりにくいとされていた「介護職員ができる医療行為」を整理し、介護現場の混乱を避けるために作成されたものです。

■ガイドラインの内容に照らすと
この「原則として医行為ではない行為」に関するガイドラインに沿って、本事例における介護職員と看護職員の危うい行為を検証してみましょう。まず、看護師はMさんの便の状態を確認して服薬量を調整していますが、もし医師の指示なくこの「服薬量の調整」を行っていれば、医師法違反になります。次に、介護職員がラキソベロンを5滴または10滴、水に垂らして服用させていますが、これは明らかに介護職員にはできない医療行為です。介護職員が服薬介助としてできるのは、あらかじめ正しい服薬量に分包された薬を飲んでいただくことだけです。このケースでは、ラキソベロン水溶液を看護師がコップに入れて準備し、介護職員が服用していただかなければなりませんでした。
■介護職員が許されていない医療行為を行うと
医療依存度の高い入居者が増える中で、在宅酸素のボンベ交換やストーマ装具の交換など、介護職員が行えない医療行為を実施している例が見受けられます。何も起こらなければ問題になりませんが、医療行為を行ったことで事故が発生すれと、介護職員は大きな責任を問われる可能性があります。改めてガイドラインに従い、現在行っている医療行為を確認する必要があるのではないでしょうか。
参考)原則として医行為ではない行為に関するガイドライン
https://anzennakaigo.sakura.ne.jp/jishu2/1211guide.pdf
監修 株式会社安全な介護 山田 滋
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