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| ■運営懇談会で紛糾 社会福祉法人M厚生会の住宅型有料老人ホーム「H園」では、カスハラ対策として「断固として対応し退所要求も辞さない」と明記したポスターを掲示しました。しかし、これが「正当な要求を弾圧するものだ」として入居者の強い反発を招きます。 特に運営懇談会では、施設批判の急先鋒である入居者から、以下のような猛烈な批判が繰り広げられました。 |
■なぜ入居者が反発したのか?
カスハラが社会問題になり、法律までできているのに、なぜ入居者は反発したのでしょうか?その原因は大きく3つあります。
一つ目は、どのような行為がカスハラなのかを例示して示さなかったことです。
二つ目は、最悪の場合の強硬手段を決意表明したことです。
三つ目は、カスハラだけを問題にしてこれを排除しようとしたことです。
カスハラに断固対応するには、反撃されない材料にされないようもっと慎重に細かい配慮をしなければなりません。カスハラ決意表明の問題点を詳しく検証してみましょう。

■カスハラの定義が分かりにくい
一つ目の問題は、防止法のカスハラ行為の定義が分かりにくいのに、どのような行為がカスハラ行為なのかその基準を示さなかったことでしょう。暴言暴力のような違法行為は誰もが不当な行為であると理解できますが、不当要求については基準が明確ではなく、入居者は自分たちの正当な要求までもが制限されると不安に感じたのでしょう。
どのような行為がカスハラに該当するのかという例示が必要になります。
■強硬手段をちらつかせてはいけない
2つ目の問題点は、「退所要求」というカスハラ行為への強硬な対抗手段を、法人の意思として決意表明したことです。いくら契約当事者の双方は対等な立場であるとはいえ、「退所要求」という極めて強い対抗手段をいきなり突きつけたことで、優位な立場にある事業者が弱者を威圧していると受け取られました。
■他のハラスメント対応も大切
3つ目は、カスハラだけを問題にしてこれを排除しようとしたことです。ハラスメント防止のための事業者の防止措置義務はカスハラだけではないのにもかかわらず、パワハラやセクハラ等の他のハラスメントに触れず、カスハラだけを強調したため、利用者への「宣戦布告」のような印象を与えてしまいました。カスハラ対策を円滑に進めるためには、利用者側の感情を逆なでしないよう、慎重な配慮と「作戦」が必要です。
昨年ある人気アパレル事業者がSNSで「カスハラには断固たる対応を取る」と表明し、「それより接客態度はどうなのか?」と反撃され炎上してしまいました。消費者に対抗するには、独自の文言だけでなく、厚生労働省や役所のポスターを並べて掲示し、法的な義務に基づく公的な取り組みであることを強調するのが効果的です。
監修 株式会社安全な介護 山田 滋
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