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保育ニュース<2月号>椅子・机まわりの事故ー「引く」「立つ」「座る」に潜むリスクー

2026/02/12 保育
保育ニュース<2月号>椅子・机まわりの事故ー「引く」「立つ」「座る」に潜むリスクー
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★こんな場面ありませんか?

A君(4歳)は、給食の準備が始まるのを待っていました。「そろそろ座ろうね」という声かけで、A君はいつものように椅子を後ろに引きました。そのときA君の後ろを、Bちゃん(3歳)が通っていました。
A君の椅子がBちゃんの足に当たり、Bちゃんはバランスを崩して尻もちをついてしまいました。
走っていたわけでも、ふざけていたわけでもありません。毎日の“当たり前の動き”の中で起きた出来事でした。

 

 

なぜこのようなことが起きたのでしょう

この場面では、「椅子を引く」「立つ」「周囲を見る」という動作が、同時に重なっていました。
子どもにとって、これらを一度に調整するのは簡単ではありません。
後ろに誰がいるか、どのくらいの距離があるかを事前に予測する力は、まだ発達の途中だからです。

 

原因はコレ

原因は、A君やBちゃんの不注意ではありません。
✔ 椅子を引く方向と、人が通る動線が重なっていた

✔ 立つ・座る動作が一斉に起きる時間帯だった
✔ 椅子や机の配置に、余裕がなかった
発達段階 × 環境 × タイミングこの組み合わせが、事故を起こしやすくしていました。


どうしたらよかったのでしょう⁉

 

― 明日からできる3つの工夫 ―

① 椅子を引く方向と、通る道を重ねない
・椅子を引く方向の後ろは「通らない通路」にする・通路は机の横側に纏め、人が通る場所を固定する
👉 動線が重ならなければ、ぶつかる場面自体が減ります。なぜなら、子どもが後ろを予測しなくても安全が保たれるからです。

② 立つ・座る動作が「一斉」にならない流れをつくる
・「Aテーブルから順番に立とうね」と声をかける・全員同時ではなく、少人数ずつ動く時間をつくる
👉 動作が重ならなければ、周囲への接触が起きにくくなります。なぜなら、保育室内の動きが分散されるからです。

③ 子どもが無理に気をつけなくても済む配置にする
・椅子と椅子の間隔を、こぶし1つ分広げてみる・よく立ち座りする場所だけ、机の向きを変える
👉 配置を少し変えるだけで、転倒や接触のリスクは下げられます。 なぜなら、子どもが調整しなくても安全な余白が生まれるからです。

☆椅子・机まわりの事故は、どの園でも起こり得る「あるある事故」です。だからこそ、個人の注意や頑張りに頼るのではなく、園全体で環境を見直す視点を!☆

執筆:八重樫 貴之 作業療法士


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