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下請法から取適法へ 主な改正内容②~令和8年1月1日施行~

2025/11/27 運送
下請法から取適法へ 主な改正内容②~令和8年1月1日施行~
 

今回は、改正下請法対象として新たに追加された特定運送委託(事業者が販売する物品等について、その取引の相手方に対して運送する行為)の4つの類型と、委託事業者に課せられている11の禁止行為と禁止行為に関わる違反行為の想定事例をご紹介します。

1.特定運送委託の4類型

【類型1】
物品の販売を行っている事業者が、その物品の販売先(当該販売先が指定する者を含む。)に対する運送の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。

【類型2】
物品の製造を請け負っている事業者が、その物品の製造の発注者(当該発注者が指定する者を含む。)に対する運送の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。

【類型3】
物品の修理を請け負っている事業者が、その物品の修理の発注者(当該発注者が指定する者を含む。)に対する運送の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。

【類型4】
情報成果物の作成を請け負っている事業者が、当該情報成果物が記載されるなどした物品の作成の発注者(当該発注者が指定する者を含む。)に対する運送の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。

2.委託事業者の禁止行為

 委託事業者の禁止行為として、下記の11事項が定められています。
①受領拒否
②下請代金の支払遅延
③下請代金の減額
④返品
⑤買いたたき
⑥購入・利用強制
⑦報復措置
⑧有償支給原材料等の対価の早期決済
⑨割引困難な手形の交付
⑩不当な経済上の利益の提供要請
⑪不当な給付内容の変更及び不当なやり直し

3.禁止行為に係る違反行為の想定事例

〇不当な経済上の利益の提供要請の違反行為例
貨物運送を委託している中小受託事業者に対し、当該中小受託事業者に委託した取引とは関係のない貨物の積み下ろし作業をさせていた。

〇不当な給付内容の変更、やり直し
中小受託事業者である運送会社のトラックが、指定された時刻に委託事業者の物流センターに到着したものの、委託事業者が貨物の積み込み準備を終えていなかったためにトラックが長時間の待機を余儀なくされたにもかかわらず、その待ち時間について必要な費用を負担しなかった。

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記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社