
先生が「靴を履いてお外に出る準備をします」などの指示をしても、動き出しがゆっくりでいつも最後になってしまうお子さんがいます。じっくり話してみると、指示内容は理解しているようですし、いろいろなことをお喋りしてくれます。理解はしっかりしているのに、なぜ行動がゆっくりになるのでしょうか。そこには、処理速度が関係していると考えられます。今回は、園での行動と処理速度の関係についてお伝えします。
処理速度(PSI)とは、WISC(Wechsler Intelligence Scale for Children、ウェクスラー児童用知能検査)で表される、子どもが視覚的な情報をすばやく認識し、理解した情報を基にスムーズに手や身体を動かすことができるかを評価する指標です。WISCにはワーキングメモリ(WM)という指標もあるのですが、ワーキングメモリは情報を短時間保持し(覚えておいて)、必要な時にそれを取り出して活用する能力です。しかし、処理速度は、ワーキングメモリと連携しながらも情報の認知とその応答の速さに関係してるので、処理速度が低い場合、指示内容の保持や理解ができていても、素早く反応することが難しくなるのです。

・ゆっくりでも最後までやり遂げられる環境を作る
→ 無理に急がせず、時間に余裕を持って取り組ませる
・ルールを分かりやすくし、視覚的なサポートを使う
→ 先生の指示を短く簡単にする、手順をイラストで示す
・スモールステップで成功体験を積ませる
→ 簡単な作業から始めて「できた!」を増やす

◆処理速度が低い子どもは、急かすと焦りやストレスを感じやすいので
「ゆっくりでも大丈夫!」と安心できる環境を整えてあげることが大切です!!◆