◆秋の運動会は、子どもたちが心待ちにする大イベント。でも実際の保育現場では「負けて悔しくて泣き出す子」「人前に立つのが怖くて動けない子」など、ただ楽しいだけでは終わらない姿も見られます。
大切なのは“勝つこと”よりも“やってみる経験”や“仲間と協力する体験”。運動会は、子どもたちに自信を育み、仲間と達成する喜びを味わえる大きなチャンスです。
【こんな場面、ありませんか?】
・リレーで転んでしまった子に、すぐに手を差し伸べた友だち。ゴールは最後でも、会場中が拍手で包まれた。
・玉入れで「もうダメだ…」と諦めそうになったとき、隣の子が「一緒にやろう!」 と声をかけ、笑顔で最後まで頑張れた。
・年長さんが年少さんの手を引きながらゴールへ向かう姿に、保護者席から「成長したね」の声がこぼれた。
こうした瞬間にこそ、運動会の本当の価値があります。

運動会の狙い
・自信づくり:体をのびのびと動かし「できた!」の積み重ねを味わう
・協力と達成感:友だちと力を合わせ、一緒にゴールを目指す喜びを知る
・成長の実感:練習の成果を見てもらい、自己肯定感を育てる
保護者のかかわりの工夫
・共感的な声かけ:「悔しかったね」「最後まで頑張ったね」と気持ちを受け止める
・プロセスを重視:順位ではなく、挑戦や努力を認める
・個別の配慮:その子のペースで挑戦できるように支援する
競技の工夫
・みんなで達成型:リレーは全員でバトンをつなぐ形式に。玉入れは「○個以上で全員成功」に
・異年齢交流:年長児が小さい子をサポートする競技で“思いやり”を育む
・準備や片付けも協働に:運動会全体を“みんなでつくる行事”に
保護者への伝え方
・「運動会では仲間と最後までやり遂げる姿がたくさん見られました」
・「『できた!』『楽しかった!』という声が、園庭いっぱいに響きました」
・「勝ち負けよりも、協力する経験を大切にしています」

◆運動会は、“できた!”の積み重ねと仲間とやり遂げる達成感、そしてその気持ちを受け止めてもらえる安心感が、子どもたちの自信と協働心を育てます。 ◆