◆保育室で小さな部品が落ちているのを見つけてヒヤっとした経験はありませんか? 子どもは何でも口に入れますので、誤嚥・誤飲につながるモノは多種多様です。下記は東京都が調査した家庭で起きた事例ですが、園でも多発しています。

【こんなヒヤリハットが報告されています】
●破けたビニールが喉にひっかかり息が出来なくなったため119番通報した。一時は気を失った。(0歳女の子)
●おもちゃに貼り付いていたシールを誤飲して息が出来なくなり顔の色が紫になってしまい、手を入れて吐き出させているうちにシールが取れた。(1歳女の子)
●息子が突然コホコホして苦しそうにしていたので見ると、宅配サービスの広告紙が散乱していてその一部を口に入れていた。(0歳男の子)

誤嚥・誤飲=固形物とは限らない

シールやテープ、食事のラップを口に入れても飲み込めないから大丈夫? いいえ、口の中や喉に貼りつく可能性がありますし、喉の奥のほうや気道にはさまってしまうと容易には取り出せません。場合によっては窒息を起こすこともあります。

園児や保護者が園に持ち込むケースも 

 家庭からつけてきた薬剤が付いたシールやばんそうこう等は、汗で活動中にはがれてしまうことがあります。お迎えに来た祖父母がつけていた家庭用磁気治療器が床に落ちていたことも。シール類以外に、家庭で遊んでいた玩具やマスコットを登園時に持参するケースもあります。

誤嚥・誤飲につながるモノ。何でも口に入れる月齢のクラスに落ちていないか確認しましょう!
 □園児が肌につける虫除けパッチ(シール)、気管支拡張剤(咳止め)テープ、ばんそうこう
 □園児の絵画や部屋の装飾物を貼ったテープ、ロッカーの名前テープ(テプラ)
 □ 給食やおやつの器にかけられたラップの欠片
 □ 髪留めや服からとれたボタンやパーツ、園バックにつけられたキーホルダーの部品

◆職員の点検は必須ですが、限界があります。家庭から誤嚥・誤飲につながるモノが持ち込まれないように保護者にも協力を呼びかけましょう◆

執筆:所 真里子(日本こども成育協会シニアフェロー/『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室』著者
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

こちらの記事もおすすめです