園児の人数が少ない早朝や夕方は、年齢ごとの部屋ではなく異年齢が一緒に過ごす時間帯があります。普段とは異なる部屋で、異なる年齢の子どもとのかかわりもあり、興味関心や活動の幅を広げる機会にもなります。でも、異年齢の子どもが集まるからこそ生じる危険もあります。

【こんな事故が起きています】
 異年齢保育の時間のこと。他児が使っていた色鉛筆が5歳児の目に入り右眼角膜上皮剥離の重傷。保育室には色鉛筆が安全に使えない年齢の園児もいたが、色鉛筆は誰もが使える場所に置かれていた。

「いつもと違う」が一つでもあったら要注意 
 行事の準備等で、いつもと違う部屋で早朝保育を行うこともあります。また、担当職員がお休みで、いつもと違う職員が担当することも。そんな「いつもと違う」があるときは、いつも起きないことが起きやすい状況にあります。普段よりも丁寧に環境整備や申し送り事項の確認をしましょう。
「人数が少ない=安全」ではありません 
 同じ人数でも、同年齢と異年齢では注意する安全の観点が異なります。また、活発な遊びが好きな子もいれば、黙々と積み木で遊ぶ子もいます。人数よりも、子どもの年齢や特性に基づく安全管理が必要です。

異年齢保育を行う環境の安全チェックをしましょう! 
□部屋の広さは、一緒に過ごす子どもの年齢や人数に合っていますか? 
 赤ちゃんや歩行が不安定な小さな子は、動きが活発な大きな子とお部屋を分けることをお勧めします。
□遊びの設定は、上の年齢の子も下の年齢の子も楽しめる内容ですか?
□年齢ごとの部屋を使う場合、他の年齢の子にとって危ない玩具や場所はありませんか?
□担当する職員は、保育する子どもの情報(体調や発達状況等)を把握していますか?

早朝や夕方は、登降園する園児や保護者の対応をしながら保育をする時間帯です。職員同士が声をかけあいながら見守りをしていても、眼が離れてしまうこともあります。

◆見守り+環境整備=忙しい時間帯の保育を安心安全に◆

執筆:所 真里子(日本こども成育協会シニアフェロー/『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室』著者)
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