A君は、いつも活発で、園内を元気に走り回る男の子。3歳になって上手に歯ブラシを持って歯を磨くことが出来始めていたため、園の先生は特に見守ることなくひとりで歯を磨いてもらう習慣がついていました。ある日、A君はお昼ご飯を食べたあと、歯ブラシをくわえたまま椅子の上に登ってお友達とふざけていました。園の先生がお部屋にもどると歯ブラシが口に入ったまま、A君が四つ這いでうずくまって泣いていました。その時はすぐに歯ブラシを取ることができ、しばらくたつと泣き止んだため、様子をみて普段の活動を行いました。しかし、その日の夜、発熱があり痛みも訴えたため、受診すると喉を損傷しており、入院することになったとお母さんから連絡がありました。

意外と多い?子どもの「歯磨き事故」

虫歯を予防するため、「歯磨き」は子どもにとっても大切な生活習慣となります。
しかし、この日々の生活動作が子どもにとっては命に係わる重篤な事故に繋がることもあります。消費者庁によると、子どもが歯ブラシをくわえたまま転倒し、のどを突くといった事故が相次いでいると報告されています。特に「3歳以下」の子どもの発生が多く、「転倒」「衝突」「転落」などが挙げられます。
また、ある実験では子どもが歯ブラシをくわえた状態で転倒した場合、歯ブラシには80Kg重という大きな力がかかるとも言われています。

何歳になったら歯磨きが出来るようになるの!?

子どもが歯ブラシを使えるようになるのは4~5歳頃になります。そして仕上げ磨きなく一人で歯磨きができる様になるのは小学校低学年頃になります。それまでは、下記のような子どもの特性を理解したうえで介助もしくは見守る必要があります。

  • 立って(動きながら)手を操作するため、バランスがとりにくい
  • 転倒しそうになった時に、手で支えることができない
  • 視覚的なフィードバックがないため、注意がそれやすく歯磨きに集中できない

事故を未然に防ぐ歯磨き動作の工夫

万が一、歯磨き中の事故が起こってしまった場合は、喉の奥に傷がないか確認をし、受診をしましょう。
また、感染や炎症で発熱することもあるため、事故後、数日は注意して体調をみてあげましょう。

意外と多い!?歯磨き中の重篤な事故。
姿勢・環境・道具の工夫で事故を未然に防ぎましょう!

執筆者情報

株式会社東京リハビリテーションサービス
言語聴覚士 堀川 由樹子

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