◆こんなことが起こってしまいました

保育士のA先生は業務時間内にどうしても終わらず、仕事を持ち帰ることに。
帰りにスーパーで買い物をして家に帰ると、レジ袋の他に持っていたサブバッグがありません。そのサブバッグには園児の個人情報が含まれたファイルも入っていました。 A先生は、スーパーで袋を詰めた時に忘れたのかもしれないと慌ててスーパーに戻り、周囲を探したり、店員に聞きましたが見つからず、B園長先生に報告しました。
B園長先生は今回の個人情報漏えい事故の発生を受けて、職員全員を集め緊急会議を行いました。

事故を防ぐためにはどうしたらよかったのでしょうか?

◆園でのルールはどうなっていた?

今回のケースにおける事故の原因は「園児の個人情報を含む書類を園外に持ち出したこと」です。
この園では個人情報の園外への持ち出しは許されていたのでしょうか?
マニュアルなどにより、原則、園外への個人情報の持ち出しを禁止することが重要です。
また、個人情報の取り扱いに関するルールを作るだけでなく、職員全員がそのルールを認識する必要があります。

◆個人情報漏えいの原因の多くはヒューマンエラー

NPO法人日本ネットワークセキュリティ協会の調査によると、個人情報漏えいの原因第1位は、紛失・置き忘れです。次いで、誤操作・不正アクセス・管理ミスと続き、これらは人的要因であるといえます。外部からの攻撃などによる漏えい事故がニュースとして話題になりますが、実際には人的要因によるケースの方が多く、個人情報漏えい事故の原因の多くは、ヒューマンエラーによるものが大多数なのです。
 職員全員が「個人情報を取り扱うことの重大性」と「もし漏えいしてしまった際の罰則」を理解することに加えて、ヒューマンエラーを防ぐための事故防止策を講じましょう。

人的ミスを防ぐことで、情報漏えい事故を未然に防止するための
注意喚起ステッカーを配布しております!

執筆:澤村 清美 (看護師)

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