◆増え続ける園児の行方不明事故

昨今、保育中に園児が置き去りになったり、行方不明となる事故が社会的な問題となっています。
 今年起きた事故では、保育中に行方が分からなくなっていた5歳の男児が、近くの川岸付近で見つかり、死亡が確認された重大事故もありました。このような事故をなくすには、実態把握とともに園での対策が必要になってきます。
しかしながら、限られた保育士の人数で「気を付ける」だけで未然に防ぐことは出来ません。
 今回は、出来る限り日常から出来る試みや気を付けるポイントや、子どもの特性に目を向けることで行方不明事故の防止について考えてみたいと思います。熱中症リスクも高まるこの時期、今一度園内で対策を話し合ってみましょう。

◆行方不明事故はどんな場面が想定される?

園児の行方不明事故は様々な場面で想定されます。例えば、
・園のフェンスの隙間から外に出て行ってしまう
・降園時、保護者と先生が話している間に外に出てしまう
・公園で遊んでいて他の園の園児に交じってしまう
・お散歩中に気になるものを見つけ、走っていってしまう
・バスの中に園児を置き去りにしてしまう
このように、保育環境の問題、保育者などの職員側の問題、園児の特性…様々な要素が起因して事故に発展しています。

◆未然に防ぐための対策は?

【日頃からできる対策】
・点呼する習慣をつけましょう
 屋外活動時だけでなく、朝の会、昼食前、昼食後、午睡前など点呼する習慣をつけましょう。
・ヒヤリハットは必ず報告しましょう
 1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300のヒヤリ・ハットが存在する(ハインリッヒの法則)と言われています。ヒヤリ・ハット事例から再発防止策を考えてみましょう。
・危険予知トレーニングを行ってみましょう
 園の職員間でリスクマネジメントの意識を高め、想定されるリスクを園全体で考えてみましょう。
・気になる園児をアセスメントしておきましょう
 注意がそれ易かったり、衝動性がある園児、一つのことにこだわり、切り替えが難しい園児は、集団行動が苦手なお子さんが多いです。刺激の多い屋外では、より特性が出やすくなることも考えておきましょう。

【屋外活動時の対策】
・目的地や経路について事前にリスク評価を行いましょう。(見通しの良い公園かどうか、など)
・目的地は複数人の職員で事前に確認しておきましょう。(年長さんであれば園児も一緒に)
・職員体制と役割分担、緊急事態が発生した場合の連絡方法について事前に決めておきましょう。
・先頭と最後尾は大人で子どもを挟んで歩きましょう。(必要に応じて真ん中も)
・歩くときはルールを決めておきましょう。(●●先生を見て歩きましょう・〇〇君より前にはいかない)
・何か異変や気付いたことがあれば、声を出して職員間で共有しましょう

「気を付ける」だけでは防ぐことは難しい行方不明事故日頃からの対策でリスクマネジメントの意識を高めましょう!

執筆者情報

株式会社東京リハビリテーションサービス
作業療法士・公認心理師  竹中 佐江子

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