常時10人以上雇っている会社には、就業規則の作成および届出義務があります。ただし、昨今のような労働環境が複雑化している中では、これまで以上にルール決めが大切です。
ハラスメントについて
ハラスメントの就業規則への記載
セクシュアル・ハラスメントについては男女雇用機会均等法第11条、マタニティハラスメントについては男女雇用機会均等法第11条の3、パワーハラスメントについては労働施策総合推進法第30条の2に各種ハラスメントについての事業主の講じるべき措置が定められています。措置義務を周知させるため、就業規則への記載が必要です。
あらゆるハラスメントの禁止
第○条(あらゆるハラスメントの禁止)
従業員は業務の適正な範囲を超える言動により、他の従業員に精神的・身体的な苦痛を与えたり、性的言動等により、他の従業員に不利益や不快感を与える等就業環境を害するハラスメント行為を一切してはならない。
ハラスメントとは
職場上の立場や優位性を利用して、下記のようないやがらせを行うことをいいます。
■職場の環境を悪化させて、働きづらくさせる
■個人を肉体的または精神的に攻撃する
■育児等の制度を利用したことで不当な扱いをする
ハラスメントの種類
セクシュアル・ハラスメント | 職場内での性的な言動により、就業環境を悪化させること。 |
パワーハラスメント | 職場上の立場や優越的な関係を利用して、いやがらせをする行為のこと。上司が部下に対して、 身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の 侵害を行うこと。同僚間でも成立します。 |
モラルハラスメント | 悪意ある極端な言動、文書などにより人格や尊厳を傷つけ、精神的ダメージを与えること。 |
マタニティハラスメント | 妊娠、出産、育児休業等に対して、悪意ある言動や、不利益な対応をすること。 |
【重要】パワーハラスメント防止措置が事業主の義務となりました!(大企業2020年6月1日、中小企業2022年4月1日~)
企業が取り組むべきパワハラ防止対策
1.事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
2.相談に応じ、適切に対処するために必要な体制の整備
3.事後の迅速かつ適切な対応
4.プライバシー保護、パワハラの相談を理由とする不利益取り扱いの禁止
ポイント!
建設業の場合、工事現場での労働者の事故については、事業所ごとの労災ではなく元請の労災保険を使います。
執筆者情報
記事の作成・編集:アスミル社会保険労務士事務所