2025年6月26日、公益社団法人全日本トラック協会より、事業用トラックの死亡事故を分析した「2024年の交通事故統計分析結果【確定版(車籍別)死亡事故編】」が公表されました。今回はこの分析結果の中から、死亡事故の主な特徴をご紹介します。

死亡事故の主な特徴

 ○2024年に発生した事業用トラックの死亡事故は200件で、前年より1件増加しました。過去10年における死亡事故件数の推移をみると、2015年~2020年までは減少傾向にありましたが、それ以降は横ばいの状態が続いています(図1)

○車両区分別では、「大型」が122件(61.0%)で最も多く、次いで「中型」(準中型を含む。以下同じ。)が71件(35.5%)、「普通」が7件(3.5%)となっています。
○事故類型別(車籍不明3件を除く197件で集計)では、 「車両相互」が100件(50.8%)で最も多く、半数を占めています。 次いで「人対車両」75件(38.1%)、「車両単独」22件(11.2%)となっています。
○事故類型別の「車両相互」の内容をみると、次のような特徴があります。
・「追突」が36件で車両相互全体の36.0%、次いで「出会い頭衝突」17件(17.0%)、 「左折時衝突」16件(16.0%)となっており、「追突」では、 「進行中」が14件、「駐・停車中」が22件となっています(図2) 。
・追突事故を道路区分でみると、一般道路が11件、高速道路が25件で高速道路は一般道路の2倍以上となっています。

○交差点における「歩行者・自転車」との死亡事故をみると、次のような特徴があります。
・事業用トラックが第1当事者となる交差点における対歩行者、対自転車の死亡事故は44件で、追突(36件)を上回っています。
・直進死亡事故は19件(歩行者15件・自転車4件)となっており、左折死亡事故は18件(歩行者3件・自転車15件)、右折死亡事故は7件(歩行者6件・自転車1件)となっており、左折時は自転車との死亡事故が多く、右折時は歩行者との死亡事故が多くなっています。
・車両区分別にみると、大型車36件(72.7%)、中型車10件(22.7%)、普通車2件(4.5%) で、大型車が7割を超えています。

死亡事故を防止するために

死亡事故を防止するために、事業者の皆様は、特に次の点をドライバーに指導しましょう。
・追突死亡事故は高速道路で多く発生していますので、高速道路を走行するときは車間距離を十分に保持するとともに、常に前方を交通状況を確認し、渋滞等で減速したり停止している車を早めに発見するよう努めましょう。
・交差点の左折時は特に自転車、右折時は特に歩行者を十分に確認するとともに、いつでも停止できるよう必ず徐行して進行しましょう。

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記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社

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