前回に引き続き、国土交通省が本格的に着手し始めた建設業の一人親方化対策について説明していきます。今回は社員のあやまった雇用を続けていると、どのような問題が発生するのか、具体的にお伝えします。

 

一人親方化対策とは?

一人親方の利点と懸念事項

労働者として扱うべき技能者を一人親方として使用した際の問題点

使用する企業の関係法令違反のおそれ技能者のデメリット
労災に関する事雇用していないことを理由に労災保険への加入をしていない
●労働保険の保険料の徴収等に関する法律等に抵触のおそれ
・自らを一人親方として認識していない場合は、労災保険に未加入のおそれ
・労災にあった場合、補償が出ないまたは全額自己負担のおそれ・被災者や遺族が労働者性を主張
・損害賠償請求をし、元請け等と争う可能性
労働時間や休日に関する事雇用していないことを理由に、技能者について、労働時間・休日に関する規制等の対象外として扱う
●労働基準法等に抵触のおそれ
・雇用されていないことを理由に、長時間、無給労働のおそれ
・業界で進めている4週8休の取組に逆行
・雇用されていないことを理由に、労働者であれば受けられる報酬が受けられないおそれ
社会保険に関する事労働関係諸経費の削減を意図して社会保険に加入させない
●健康保険法
●厚生年金保険法
●雇用保険法等に抵触のおそれ
・加入すべき社会保険に未加入で、いざというときの公的補償が受けられないおそれ
税金に関する事給与として支払われる場合は、事業主が所得税や住民税を特別徴収しなければならないが、納めていない
●所得税法
●地方税法等に抵触のおそれ
・所得税や住民税の未払いが考えられ、場合によっては遡って徴収、滞納処分等のおそれ

執筆者情報

記事の作成・編集:アスミル社会保険労務士事務所

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