お散歩や遠足などの園外保育。いつもとは違う景色、見たことのない遊具に出会い、子どもたちの成長に欠かせない時間です。でも、いつもとは違うからこそ思わぬ危険が潜んでいます。

こんな事故が起きています

夏休み前の遠足で訪問したのは隣の市にある大型公園。子ども向けの遊具もたくさんありますが、未満児さんは対象年齢に達していない遊具もあり、クラスによって遊ぶ場所を分けることにしました。遠足の当日、予定通り2歳児クラスは決められた場所で遊んでいましたが、保育者がトイレ対応をしていた間にBちゃんが移動し、太鼓橋で遊ぼうとして地面に落下。前歯1本を折ってしまいました。

  • 子どもが「危ない!」を理解するのは難しい 
     「あの遊具はまだ遊べないよ」と言われて「うん」と返事をしたら、子どもは行動を抑制できるのでしょうか? いいえ、それは無理です。目の前に見たことのない遊具があり、他の子が遊んでいたら、自分も遊びたくなるのが子どもです。
  • 普段とは違うから「想定外」が連発する
     いつもと違う場所で行う園外保育。子どもたちのテンションはあがり、到着した途端に走り出す子が続出。計画通りにはいかないことも多々あります。どんな「想定外」が起こるのかを想定しておきましょう。安全に帰園できるかできないかのカギを握っているのは「下見」です。

園外保育の下見ポイントを改めて確認してみましょう

□当日と同じ時間帯に下見をしていますか? 
□大まかでも、当日のタイムスケジュールや活動内容を決めてから下見をしていますか? 
□トイレは場所の確認で終わっていませんか? 個室の数や手洗い場所の高さなど、園外保育で使えそうなトイレ環境ですか? 
□子どもが抜けだしたり隠れたりしそうな場所はありませんか?
□写真や動画など、下見をしていない保育者と情報共有しやすい記録を残していますか?

公園などの施設はメンテナンスが不可欠ですから、工事で閉鎖されている場所があったり遊具の入れ替えがあったり、以前とは違う環境になっていることもありますよ。行き慣れている場所や同じ遠足先でも下見は必要です。

◆下見や事前準備は園外保育の「お守り」◆

執筆:所 真里子(日本こども成育協会シニアフェロー/『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室』著者)
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