◆1-2月に入り迎え寒さも本番を迎えます。「子どもは風の子」と昔から言われていますが、寒い日の子どもの遊びには様々なリスクが考えられます。今回は季節特有、寒い冬ならではのあそび・寒さ対策の危険についてお伝えします。

あそびに潜む危険

◆雪あそびに潜むリスク

園庭に雪が積もっていると、雪遊びをしたくなるもの。雪遊びは子どもたちにとって楽しい冬の活動ですが、安全に楽しむためには特有のリスクを把握し、適切な対策を講じる必要があります。
① 低体温症や凍傷のリスク  
 ・リスク: 長時間冷たい雪に触れることで、手足や耳が冷え、低体温症や凍傷の危険があります。
 ・対策:防寒着、帽子、手袋、靴下などをしっかり着用させ、濡れた服や手袋はすぐに交換しましょう。
②転倒や衝突による怪我
 ・リスク:地面に雪が積もっていると、子どもは足を取られたり、埋もれてしまったりする危険性があります。また、寒さにより地面が凍ることもあり、滑って転倒する恐れも。  
 ・対策:雪が深く積もっている場所はないか、路面凍結している場所はないかを必ず確認しましょう。そのような場所があった場合は、あらかじめ除雪をしておきましょう。
③しもやけ
 ・リスク:しもやけは手足や耳たぶなど、外気に触れる部分や冷えやすい部分が赤~赤紫色に腫れる症状です。ときにかゆみや痛みを伴うこともあります。
 ・対策:外遊びの時間を決め長時間遊び続けないようにしたり、遊び終わった後は着替えを行いましょう

寒さ対策に潜む危険

◆カイロや暖房で低温やけどのリスク

低温やけどは、体温よりも少し高い温度(44℃~50℃前後)のものに、子どもの皮膚が直接長時間触れ続けることによって起こります。症状がひどい場合、皮膚の奥の方までやけどが進行してしまいます。低温やけどは通常のやけどと異なり急激に熱さや痛みなどを感じるわけではないので、子ども自身が痛みや皮膚の変化に気づくのが遅れてしまい、症状が悪化してしまうケースが多くなっています。低温やけどによる見た目の変化はありますが、痛みがでるまで患部を確認することはありませんから、子どもは気づきにくいのです。

◆予防

実際に、自宅からカイロをつけて登園した子どもが、そのまま午睡してしまい、低温やけどになってしまった例もあります。保育園によっては、カイロが禁止されているところもありますが、禁止されていない場合は、登園時にカイロを貼っていないか、一人ひとり確認する必要があります。
【対処法】
① 早急に熱源を取り除く:やけど部分に触れている熱源(カイロなど)を速やかに取り除く
② 冷却する:冷たい流水で15~30分ほど冷やす。氷や氷水は直接当てない(凍傷のリスクがある)

◆季節特有の危険を把握して、安全な寒さ対策で楽しい冬遊びを行いましょう!!◆

執筆:八重樫 貴之 (作業療法士)
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