◆はじめに
増加する児童虐待を防止するため、「児童虐待の防止等に関する法律」が2000年に施行されましたが、2022年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数は【219,170件】 (速報値)と過去最高になりました。園では「園児に対しての保護者からの児童虐待を見逃さないこと」「園児に対しての職員による児童虐待を防ぐこと」の2つのリスクマネジメントが必要になります。今回は虐待を防止するために園で必要なことについて考えます。
◆こどもに対する虐待とは
行為類型 | 具体例 |
身体的虐待 | 殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる など |
性的虐待 | こどもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる など |
ネグレクト | 食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する など |
心理的虐待 | 言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い など |
◆虐待防止のために園で必要なこと
園内での虐待が生じる背景は、こどもへの適切な関わり方を理解していないといった保育士の認識や職員体制が不十分といった職場環境に問題があるといわれています。
また、家庭内・園内問わず、虐待を早期発見するために、保育士が気付いた情報を周りの保育士に相談したり、すぐに報告することが大切とされています。それには、こどもの些細な変化でも、個人だけで情報を止めない園内の環境作りが必要です。
つまり、虐待防止のために園で必要なことは、①保育士一人一人が虐待防止に関して理解を深め、認識を合わせること、②職場環境を整えることです。保育士一人一人の認識を合わせるためには、虐待防止について園内研修を行うことが効果的です。
園内での虐待防止について
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