雪道で車体の大きいトラックが立ち往生すれば、長時間の大渋滞が発生するおそれがあります。そのため、2024年11月29日に国土交通省から「物流・自動車局での大雪時の大型車立ち往生防止対策について」が発表されました。今回は、この内容に基づいて、立ち往生の発生を抑止するためのポイントをご紹介します。
◆大雪時の大型車立ち往生防止対策の3つの柱
2020年12月以降の大雪により、関越道、北陸道等において多くの大型車両が立ち往生したことを踏まえ、今年の冬も、次の3つの柱で大雪時の立ち往生防止対策が実施されています。
1.車両対策
冬用タイヤの装着やチェーンの携行・装着の徹底
2.運送事業者対策
輸送の安全を確保するために必要な措置の実施、運輸局による指導・監査
3.荷主対策
荷主への周知体制の確立
ここでは、上記の1と2を中心にご紹介します

◆車両対策
●積雪・凍結路では、必ず適切な冬用タイヤ(スタッドレス表記又はスノーフレークマークが表示されている冬用タイヤ)を全車輪に装着します。
●運行前に冬用タイヤの溝深さが新品時の50%以上残っていることを、「プラットホーム」で確認します。
●ノーマルタイヤだけでなく冬用タイヤの場合でも、チェーンを携行するとともに、立ち往生する前に早めにチェーン脱着場などで装着します。
●図1の標識のある道路は、冬用タイヤであってもチェーンを装着していない車両は通行できません。
※トラックの場合、チェーンはすべての駆動輪に装着します (図2参照)。また、ダブルタイヤの場合、降雪の多い地域ではダブルタイヤ用のトリプル形チェーンを装着しましょう。


◆運送事業者対策
年末年始の輸送等に関する安全総点検の実施項目「6.大雪に対する輸送の安全確保の実施状況」について、重点的に確認します。
運送事業者は、大雪時等輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、運行の中止等の指示、冬用タイヤの溝の深さ、滑り止めの措置が講じられていることの確認など、輸送の安全を確保するために必要な措置を講じる必要があります。
雪道において、悪質な立ち往生事例が発生した場合は、監査で事実関係を確認した上で、講じた措置が不十分と判断されれば行政処分の対象となります。

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記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社