常時10人以上雇っている会社には、就業規則の作成および届出義務があります。ただし、昨今のような労働環境が複雑化している中では、これまで以上にルール決めが大切です。

就業規則の周知について

ルールの定着のために

従業員が常時10人以上の会社は就業規則の作成・届出義務があるため作成をしますが、なかなか活用ができていない会社が多いように感じます。日々の仕事の中では、労働法だけでは判断に困ることがあり、労働法で網羅できない社内ルールが記載されているのが就業規則です。特に従業員が10人いないところでは、「社長がルール」となっている会社もあり、ルールがみえないことで、従業員の不満もおこりやすいため、せっかく作成した就業規則は「法律だから」ではなく、従業員の方が安心して働ける職場の第一歩として、ルールを見える化し、定着させていきましょう。

就業規則の周知方法

就業規則の周知方法には下記のようなケースがあります。
・事業場内にみやすい場所に掲示(〇休憩室等 ×社長室、金庫の中)
・社内ネットワークへのアクセス閲覧でもOK
・全員に配布等

就業規則説明会の実施

就業規則説明会の実施も有効です。もちろん、社内の担当者が説明しても構いませんし、こうした機会に外部の専門家の方に説明をお願いしてもらうと、より客観的な立場で説明をしてもらうことができます。法律的な背景や、こうした説明会を機に、保険に関する給付や、例えば「コロナ陽性になったらどんな対応をしなくてはいけないのか?ハラスメントって何か?男性育休ってどうやったらとれるのか?」など普段疑問に思っていること等も説明をしてもらうことができます。立場が違えば解釈の仕方も違ってくることもありますので、第三者をいれ、よりルールの透明性をもたせるのも効果的です。

ルールブックの作成

就業規則は一見、難しく感じるかもしれませんが、
記載されている内容は大きく2つ。
1つは労働時間、休日、休暇、賃金の決定方法等の労働条件、もう1つは服務規律といい、会社で働く上で守ってほしいルールです。
労働条件も服務規律も正しい理解が必要なため、「従業員ルールブック」として、特に重要なことを平易な言葉でイラスト等もいれて、誰もが手にとりやすいものを作るのも効果的です。

就業規則は環境づくりの第一歩

働き方改革がスタートしてから、労務管理はますます重要になってきました。建設業においては未だ口頭での
契約や、雇用と請負が混在している中、ルールの見える化が他業種に比べ、遅れているように感じます。
若年者の入職、定着率をあげるため、労務管理体制の整備は第一歩です。まずは社内のルールを見直す
ところからはじめてみましょう。

執筆者情報

記事の作成・編集:アスミル社会保険労務士事務所

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