子どもたちが過ごす保育室。季節ごとの模様替えに加え、遊びの充実や変化を考えたレイアウト変更やコーナー作りに取り組む園も多いですね。限られたスペースをいかに有効に使うか、知恵の出しどころですが、思わぬところに危険が潜んでいることがあります。

【こんな事故が起きています】
保育室の一角を仕切り、ままごとコーナーを作ることにしました。コップやお皿などの道具を置く棚を仕切りに使い、小さなテーブルとイスも置きました。ある日、棚の上の方に置いてあったものを取ろうと、Aくんが下の段に片足をかけて手を伸ばしたら…棚がグラっと傾き、驚いたAくんは床に転落し、腕を負傷してしまいました。
◆子どもはどこにでも“のぼる”もの
手を伸ばしたりつま先立ちをしたりして、何かに指や足先をかけられさえすれば、自分の身長より高くても、手、腕、足の力でよじのぼることができます。ですから、よじのぼることを止めさせるのではなく、よじのぼっても危なくない環境を作ることが大切です。
◆倒れてきた棚や仕切りの下敷きになることも
例えば、棚などの家具によじのぼろうとしたとき、体重の約半分の力で家具を引っ張ることが東京都の調査でわかりました。よじのぼった棚ごと床に倒れたり、近くで遊んでいた他児が下敷きになったりして、頭を打ったり手足を骨折したりする事故は多く起きています。
※参考資料:「科学で探るこどもの事故予防策-転落-ポケットブック」東京都、2024年
【保育室の環境を改めて確認してみよう!】
・仕切りに使っている棚は、下に重いものを置く等、転倒防止策をとっていますか?
・コーナー作りのために置いたマットやカーペットは、つまずきやすくなっていませんか?
・窓の近くに、踏み台になる棚や机、イス等が置かれていませんか?
・電気製品等のコードは壁や床に固定していますか?

コーナー作りで使用する柵や仕切りは、大人にとっては低い高さなので、跨いでしまうことがありますよね。でも、 跨ごうとして躓いて保育者が転倒したり抱っこしていた園児を床に落としたりする事故も発生しています。

★模様替えをしたら、「遊びやすさ」や「使いやすさ」を 子どもの目線でチェック
★「保育者の導線」「保育者の見守りの死角」をチェックすることもお忘れなく!