「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」(以下、「指導・監督の指針」といいます。)は、
貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条に基づいて運転者に対する指導・監督の内容や方法等を制定したもので、事業者はこれに則った指導を行うことが義務づけられてます。したがって、未実施であったり、実施状況が不十分であれば、法令違反に問われます。

また、Gマーク(安全性優良事業認定)の取得にも影響を及ぼすおそれがあります。
そこで今回は、指導・監督の指針の主な内容や未実施等における処分について紹介します。

 

指導・監督の内容

運転者全般と初任運転者への指導・監督の内容

初任運転者だけでなく全ての運転者に対し、次の12項目が定められています。

① 事業用自動車を運転する場合の心構え
② 事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項
③ 事業用自動車の構造上の特性
④ 貨物の正しい積載方法
⑤ 過積載の危険性
⑥ 危険物を運搬する場合に留意すべき事項
⑦ 適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通状況
⑧ 危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法
⑨ 運転者の運転適性に応じた安全運転
⑩ 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法
⑪ 健康管理の重要性
⑫ 安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法

事故惹起者への指導・監督の内容

① 事業用自動車の運行の安全の確保に関する法令等
② 交通事故の事例の分析に基づく再発防止対策
③ 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法
④ 交通事故を防止するために留意すべき事項
⑤ 危険の予測及び回避
⑥ 安全運転の実技

高齢運転者(65歳以上)への指導・監督の内容

適性診断の結果を踏まえ、個々の運転者の加齢に伴う身体機能の変化の程度に応じた事業用自動車の安全な運転方法等について、運転者が自ら考えるよう指導する。

実施しないとどうなるか?

未実施等の処分(違反に係る日車数)

事業者は指導・監督の指針に基づき、運転者に対して適切な指導監督を実施したときはその旨を記録し3年間保存しなければならないことが定められています。これに違反した場合の行政処分が、以下のとおり、定められています。
※行政処分は初違反/再違反の順で表記しています。

運転者に対する指導・監督違反】
○一部不適切(実施状況が2分の1以上)は警告/10日車
○大部分不適切(実施状況が2分の1未満)は10日車/20日車

【運転者に対する指導・監督に係る記録の作成・保存違反】
○一部記録なし等は、警告/10日車
○全て記録なし等は、40日車/80日車
○記載事項等の不備は、警告/10日車
○記録の改ざん・不実記録は、60日車/120日車

Gマーク取得に際しての影響

Gマーク取得に際しては、評価項目が点数化されて評価が行われます。例えば「安全性に対する法令の遵守状況」の中に「乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか」、「特定の運転者(初任運転者や事故惹起者等)に対して特別な指導を行っているか」などの項目があり、未実施や不十分な実施の場合は、評価されないおそれがあります。

執筆者情報

記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研

こちらの記事もおすすめです
次の記事
大手住宅メーカーの2018年度決算に見る住宅業界の現状と今後