2022年12月15日に全国貨物自動車運送適正化事業実施機関より今年度のGマーク認定事業所が公表されました。Gマークの認定を受けた全国のトラック運送事業所数は、28,696となり、日本全体のトラック運送事業所数87,033事業所(2022年12月1日現在)の33.0%(約3分の1)に相当します。Gマーク制度については、公益社団法人全日本トラック協会より、令和5年度からの変更内容が公表されています。そこで今回は、Gマーク制度の変更内容についてご紹介します。

1.「Ⅲ.安全性に対する取組の積極性」の項目での変更内容

 Gマーク認定に関わる評価項目の「Ⅲ.安全性に対する取組の積極性」について、特に下記の事項が内容変更される予定です。内容を把握のうえ、申請に間に合うよう準備ください。

①1-(3)定期的な「運転記録証明書」の入手による事故・違反実態の把握に基づく指導の実施

・2022年度と異なり、違反が確認された場合のみ、指導に活用していることを証する資料の提出が求められる予定です

②2-(2)事業所内での安全に関するQC活動の定期的な実施

・判断基準が「過去3年間に実施されたQC活動等、小グループによる安全活動が、『テーマの策定』から『結果のとりまとめ』まで、一巡しているか」に変更される方向で検討されています。

③3-(2)効果の高い健康起因事故防止対策(脳検査・心電計・SAS)

・SAS検査について、治療中の選任運転者を、SAS検査の受診者と見なすことが検討されています。

④3-(3)車両の安全性を向上させる装置の装着

・判断基準を変更し、導入台数の要件を無くすとともに、2点加点の対象となる装置、1点加点の対象となる装置が明確化される予定です。また、後方視野確認支援装置(バックアイカメラ)を、1点加点の対象となる装置に加えられました。

⑤4-(1)健康起因事故防止対策に向けた取り組み(脳検査・心電計・SAS以外)の実施

・判断基準に、「一過性の取組みではなく、継続的な取組み、もしくは定期的な取組みであるもの」が追加されました。

⑥4-(5)リアルタイムGPS運行管理システムの導入

・具体的な内容に、「基準日現在において有効な、リアルタイムGPSを搭載している車両の車検証の写し」が追加されました。

⑦4-(6)自社内独自の無事故運転者表彰制度又は省エネ運転認定制度の活用

・具体的内容の②が「直近の表彰・認定結果が分かる資料の写し」に変更されました。当該営業所における実績がない場合は、他の営業所における実績の資料で可となりますが、他の営業所の実績もない場合は、実績がないことを①に書き添えてます。

2.令和5年度Gマーク申請における主な変更内容

①評価項目Ⅰ「安全性に対する法令の遵守状況」の小項目の配点 変更

 ・運転日報の作成・保存 3点 → 1点
 ・特定運転者に対する特別指導 1点 → 2点
 ・健康診断の実施及び記録・保存 1点 → 3点
 ・運輸安全マネジメント 3点 → 2点

②評価項目Ⅲ「安全性に対する取組の積極性」 の配点変更

 ・令和4年度は配点21点でしたが、令和5年度は20点となります。

3.6回目更新を迎える「長期認定取得事業所」に対するゴールドステッカー等の措置

・令和5年度より、6回目更新を迎える事業所については、20年もの長きにわたり、安全運行の実績を積み上げた「長期認定取得事業所」となります。こうした「長期認定取得事業所」 に対しては、次のような措置をとることが検討されています。

①6回目の更新を申請する事業所においては、評価項目Ⅲ.安全性に対する取組の積極性について、挙証書類の提出を原則不要とし、取組内容を自認するなど、申請が簡素化される予定です。
②6回目の更新を申請し、認定を受けた事業所においては、積み上げられた安全運行の実績に敬意を表し、通常の認定ステッカーではなく、ゴールドステッカーが使用できるよう検討されています。

Gマーク制度については、内容の見直しや変更が行われる場合がありますので、全日本トラック協会のホームページをこまめにチェックし常に最新の情報収集に努めましょう。

執筆者情報

記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社

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