2022年4月14日に全日本トラック協会より、「2021年1~12月の交通事故統計分析結果 発生地別/死亡事故編」 が公表されました。今回はこの分析結果の中から、死亡事故の主な特徴をご紹介します。

死亡事故の主な特徴

○2021年に発生した事業用トラックの死亡事故は、200件で前年より7件 減少しました。

○車両区分別でみると、「大型」が110件(55.0%)で最も多く、次いで「中型」(準中型を含む。以下同じ。)が82件(41.0%)、「普通」が8件(4.0%)となっています(図1)。

○事故類型別でみると、「車両相互」が103件(51.5%)で最も多く、次いで「人対車両」72件(36.0%)、「車両単独」25件(12.5%)となっています。

○事故類型別の「車両相互」の内容をみると、次のような特徴があります。
・「追突」が31件で車両相互全体の30.1%、次いで 「左折時衝突」20件(19.4%)、「出会い頭衝突」14件(13.6%)となっており、「追突」では、「進行中」が16件、「駐・停車中」が15件となっています(図2) 。
・車両区分でみると、 「大型」が57件(55.3%)で半数を超えており、次いで中型45件(43.7%)、普通1件と(1.0%)なっています。

○交差点における「歩行者・自転車」との死亡事故をみると、次のような特徴があります。
・事業用トラックが第1当事者となる交差点における対歩行者、対自転車の死亡事故は59件で、追突事故(30件)の1.9倍となっています。
・直進死亡事故は19件(歩行者11件・自転車8件)、左折死亡事故は25件(歩行者8件・自転車17件)、右折死亡事故は15件(歩行者14件・自転車1件)となっており、左折時は自転車との死亡事故が多く、右折時はほとんどが歩行者との死亡事故となっています。
・直進時の対歩行者死亡事故は、8割以上が70歳以上、対自転車では、6割以上が60歳以上となっています。
・左折時の対自転車死亡事故は、20歳代~80歳代まで幅広い年齢層にわたっています。
・右折時の対歩行者死亡事故は、9割以上が60歳以上となっています。

運転者への指導・教育について

死亡事故を防止するために特に次の点をドライバーに指導しましょう。

・交差点直進時は、渡り遅れた高齢者などがいないかどうかをしっかり確認しましょう。
・交差点左折時は特に自転車の有無を、右折時は特に歩行者の有無をよく確認するとともに、いつでも停止できるよう必ず徐行して進行しましょう。
・追突事故を防止するために、常に前車との車間距離を十分とるとともに、前方を交通状況をチェックして、渋滞等で減速したり停止している車を早めに 発見するよう努めましょう。

執筆者情報

記事の作成・編集:MS&ADインターリスク総研株式会社

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