現在、厚生年金保険の被保険者数が501人以上の事業所で働くパート・アルバイト等で一定の要件を満たす場合には、社会保険の加入義務がありますが、2022年10月以降、段階的にその適用範囲が拡大されます。
今回の改正内容や企業側の対応ポイントは以下のとおりです。

●令和4年10月からの改正内容

2022年5月29日、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立し、パート・アルバイト等の短時間労働者の健康保険・厚生年金保険の適用範囲が段階的に拡大されることになりました。
従前の制度との変更点は下表のとおりです。

●必要な準備

1.新たに被保険者となる短時間労働者の把握
　短時間労働者で、被保険者となっていない従業員の労働条件を確認し、上記の要件に該当するか確認しましょう。
2.従業員への説明
　新たに被保険者となる従業員に対して、以下について説明をお願いします。
　・ 法改正により、社会保険の加入対象になること
　・ 配偶者の健康保険の扶養から外れること
　・ 将来の年金額が増えることや傷病手当金、出産手当金、障害年金、遺族年金といった万一の時の保障が受けられる等のメリットがあること
3.「資格取得届」の準備
　上記要件に該当する従業員については、事前に「被保険者資格取得届」の作成をお願いします。また、被扶養者がいる場合には「健康保険被扶養者（異動）届」が必要です。