ある会社の事例

メンタル不調で休職していた社員がこのたび職場復帰します。
メンタルヘルスケアとして会社がすべきことがあればアドバイスをください。

海外赴任者が一時帰国して日本で働いた場合は、国内源泉所得として課税の対象になるため給会社は「心の健康の保持増進」措置について積極的に取り組むことが求められています。取組みに当たっては4つのケアを効果的に推進し、職場復帰のための支援が円滑に行われるようにしましょう。


現代社会は「ストレス社会」ともいわれ、ストレスが心身に及ぼす影響が大きな問題となっています。メンタルヘルスケアとは、労働者に対する「心の健康の保持増進」措置であり、事業者は積極的に取り組むよう求められております(労働安全衛生法第69条)。基本的な考え方として、まずは「心の健康づくり計画」を実施します。具体的には、以下の3つの予防の取組みが必要であるとされています。

心の健康の保持増進に向けた“4つのケア”

取り組みに当たっては、以下の4つのケアを効果的に推進し、メンタルヘルスケアの教育研修・情報提供、職場環境等の改善、メンタルヘルス不調者への対応、職場復帰のための支援が円滑に行われるようにしましょう。

①セルフケア労働者自身がストレスに気づき、セルフケア等の教育研修等を通して理解を深め、ストレスに対処し、自らのストレスや心の健康状態を認識できるようにすることです。
②ラインによるケア管理監督者は、部下である労働者の状況を日常的に把握できる立場にあります。職場の具体的なストレス要因の改善を図ることができるため、職場環境等の把握と改善、労働者からの相談対応、職場復帰の支援などを行うことが必要です。
③事業場内産業保健
スタッフ等によるケア
産業医、保健師、衛生管理者など事業場内産業保健スタッフ等は、心の健康づくり計画の実施に当たり、中心的な役割を果たすことが期待されます。
④事業場外資源によるケアメンタルヘルスケアには、事業場が抱える問題や求めるサービスに応じて、専門的な知識を有する各種の事業場外資源の支援を活用することが有効です。

●労働者の心の健康に与える職場環境等の影響

作業方法、作業場の施設および設備等、労働時間、仕事の量と質、職場の人間関係(パワハラやセクハラ等を含む)、職場の組織・人事労務管理体制、職場の文化・風土などは、労働者の心の健康に影響を与えるとされています。新型コロナウイルスにより仕事を取り巻く環境の変化がメンタル不調の要因のひとつにもなっています。メンタル不調発生を予防するため、4つのケアや職場環境について見直す機会を設けてみてはいかがでしょうか。厚労省の「職場における心の健康づくり」では、「職場環境の改善の流れ」などが解説されておりますので併せてご参照ください。

執筆者情報

資料作成:社会保険労務士法人アーク&パートナーズ

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